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トラウマと問題行動を包括的に支援する

 われわれが対象としている性問題行動のある人では、児童期逆境体験ACEsなどのトラウマに樹木関連した症状や障害のある率が他に比べて大変高いことはよく知られた事実です。また、反社会的な問題行動のある知的障害者においても同様に高いことはわれわれの調査からもわかっています。
 問題行動のある人にトラウマがあるとわかった時、どのように支援するべきか。この問いは見方を変えれば、トラウマと問題行動の関係をどのように考えるかと同じです。
 
トラウマだけを対象とした治療や支援の技法はたくさんあります。SAMHSA'S TIP 57 (2014)にもいくつか紹介されています。例えば、MeichenbaumのSIT: Stress Inoculation Trainingストレス免疫トレーニングは、認知行動療法の枠組みで心理教育・リハーサル・その実践という3段階でスキルを身につけようとするプログラムです。適用範囲が広く魅力的に思えます。
 一方、精神疾患や物質使用、非行や犯罪を対象としたものもこれまで発展をしてきました。われわれが翻訳し刊行した性問題行動を対象としたフットプリントもその一つです。
 トラウマと問題行動が併存している状態であれば、、トラウマか問題症状のどちらか一方だけを扱う方法、あるいは両方を並行して、または連続して治療する方法があるようです。トラウマと問題行動を同時に扱うプログラムもいくつかSAMHSAには紹介されているます。両者が深く結びついているのであれば、包括的に治療していくのが理にかなっているのではないかと思います。
 
 その一つ、PTSDと物質乱用の併存を治療するプログラム、Najavits, L. M. のSeeking Safetyがあります。訳せば、Safety安全を求めて、ですが、翻訳書そのままの「シーキングセーフティ」です。
 物質乱用の治療の対象者のうち、PTSDとの併存率は12〜34%であって、女性ではさらに増え30〜59%にも達するとのデータがその出発点です。プログラムのゴールは安全です。物質の使用は自らの安全を損なう行為であり、トラウマによる自己破壊的行動も安全を著しく損ないます。安全であることは最優先であり、生活を質を高めることにつながります。
泉南ビーチ
 マニュアルというタイトル通り、プログラムの参加者への方向性や助言は具体的であり、柔軟性に富んでいます。同時に、セラピストへの助言や指示は的確でアンダーラインを引きながら読んでいます。
 
Meichenbaum, D. (2007). Stress Inoculation Training: 
A Preventative and Treatment Approach. In Lehrer, P. M., Woolfork, R. L. & Sime, W.E. (Eds.), Principles and practice of stress management. 3rd ed. pp. 497–516. New York: Guilford Press.
Najavits, L. M. (2002).  Seeking Safety: A Treatment Manual for PTSD and Substance Abuse. Guilford Press. リサ・M・ナジャヴィッツ 松本俊彦・森田展彰(監訳)井上佳祐・川地拓・古賀絵子・齊藤聖・高野歩・谷渕由布子・引戸絵未・渡邊敦子(訳)(2017)  PTSD・物質乱用治療マニュアル「シーキングセーフテイ」 金剛出版
       (ホンダタカシ)

 

2019/05/27 07:40 | 未分類trackback(0)  | top

荷風のローライ

 二眼レフのローライはなかなか楽しいフイルムカメラです。6センチ×6センチ(実際はほんの少し小さい)の正方形のフイルムサイズで、12枚撮りです。写真のローライには接写用のローナイナーをつけています。

Rolleiflex.jpg
  永井荷風は昭和11年10月26日(1936)にカメラを買ったことを「断腸亭日乗」に書いています。
「午後より時々驟雨あり。草稿を添削す。夜久辺留に往く。安藤氏に託して写真機を贖う。金壱百4円也。」

  この写真機がローライ・スタンダードであると田中長徳さんの本に載っています。1930年代のモデルだそうです。ちなみに「驟雨」はにわか雨、「草稿」はその前日に『濹東綺譚』脱稿とあるのでそのことでしょうか。「久辺留」とはキュペルといいう喫茶店でよく出てきます。「104円」がどれほどの価値かのかはわかりませんが、かなりの高額かもしれません。

 その後の12月9日、草
「年末に至り新聞記者出版商人等の来訪するもの多からむことを虞れ、昼飯を食して後直に写真機を携え亀戸に至り、大嶋町羅漢寺前大通りを歩み、・・」  

翌日12月10日、 「午前読書春水人情本午後写真機を携えて浅草公園に行く。」
 年が明けての昭和12年1月16日、
「家にあらば訪問記者に襲はるるが如き心地したれば、昼飯を喫して直に写真機を提げて家を出づ。」
 2月3日、
「家に至るに名塩君来りカメラ撮影の方法を教へらる。」
そしてとうとう5月12日には、
「帰宅後写真現像を試む。」

  その後、母親の亡くなった4日後の9月13日「午後写真機を提げて・・」、10月4日「写真焼附」。
昭和13年正月2日「帰宅後写真現像」、三月初五「・・浅草オペラ館に赴き楽屋及び部隊を撮影す。」

 浅草、玉の井、銀座への散歩にはローライをぶら下げて?倒木 いたようです。撮影だけでなく、現像、焼付まで行っていたようです。ペンキ塗りの偏奇館に暗室があったのか、それとも風呂場か台所を真っ暗にして暗室代わりとしたのか。撮った写真の一部は、「おもかげ」という小説随筆集に収められており、国立国会図書館デジタルコレクションhttp://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1261446で見ることができます。
   
 「反時勢的傍観者的な姿勢」(解説)と評される荷風ですが、しばしば外出に携えた「カメラ」は何をもたらしたのか。完読までの楽しみの一つです。

 それにしてもこの『断腸亭日乗』も武田百合子『富士日記』にしても食べる話は必ず書かれています。荷風はどこで食べたか、武田百合子は何を食べた、という違いはありますが。 

永井荷風(著)磯田光一(編)「摘録 断腸亭日乗」上下 岩波文庫(1991)  
田中長徳(著)「二眼レフカメラ ワークショップ」枻出版社(2009)  
    
                               (ホンダタカシ)

2019/04/24 08:40 | 未分類trackback(0)  | top

重版を作る

Fp.jpg  『性問題行動のある知的障害者のための16ステップー「フットプリント」心理教育ワークブック第二版』を今年2月に重版しました。かなり狭い分野を対象としたものですが、たくさんの方が手に取っていただき大変うれしく思っています。
 本が売れて最初に印刷した部数が足りなくなった時、そのまま増刷されるかそれとも重版されるかです。重版とは文字通り版を重ねることで、最初の版のままのこともあれば手を入れることもあるようです。活字離れや出版不況がいわれ、足りなくなったら増刷、重版というわけではないようです。一方で読みたい本が手に入らないといったこともあります。



  重版を機に本書を点検してみると、校正漏れ、誤解しやすい文章、わかりにくい表現などがありました。今回の重版では10箇所程度を修正しました。決してほめられたことではなく、初版を購入された方には大変申性問題支援ガイド:カバー最終案し訳なく思います。



 今月に入って、『性問題行動のある知的・発達障害児者の支援ガイド――性暴力被害とわたしの被害者を理解するワークブック』の重版作業にも取りかかりました。この本では、訂正や改良だけでなく、出版後のわれわれの研究や実践の広がり深まりを踏まえたものにしたいと思いました。ここでもたびたびご紹介している児童期逆境体験ACEsなどによるトラウマがどのように影響し、性加害行動/問題行動への支援にどのように取り 組めばよいか、こうした点を盛り込みたいと思いました。



 しかし、あまりに多くを加筆すると初版との違いが大きくなり、さまざまな点でバランスが崩れます。このあたりの判断が難しいところです。また、どちらの本にしても、どこがどのように変わったのかは、初版と重版後をつき合わせないとわかりません。読み手に親切とは言えないところです。申し訳ありません。



鍵
 モールス信号の練習を始めました。トン・ツーというやつです。アルフアベットもひらがなも短点と長点であらわします。例えば、SOSだと、・・・ ーーー ・・・です。写真の黒のレバーのついたものが電信用の鍵で、親指と人差し指ではさむようにして短点と長点を打ちます。横振りとかパドルと呼ばれます。その右はインターネットの記事から作った練習機で、鍵に合わせてプープーと音がでます。実際に電波を出すためには三級のアマチュア無線技士の資格が必要です。そのためにはまず受験勉強。
  (ホンダタカシ)

2019/03/10 09:00 | 未分類trackback(0)  | top

「眺めること」について

 フロイトは『性理論3篇』のなかで、性的な逸脱を性対象の逸脱と性目標の逸脱とに分けました。「性的な魅力を発揮する人物」を性対象、「性欲動によって引き起こされる行為」を性目標と呼びました。それぞに逸脱があるとしました。

 性目標の逸脱の中に「触ることと眺めること」があります。それらが中途の段階であれば逸脱とは言えませんが、身体の器官に限定されたり、通常嫌悪されるものに向けられたり、性目標を押しのけたりする場合、フロイトは性目標倒錯であるとしました。
ラジオ
 さらにフロイトは、この倒錯では能動性と受動性という二つの形式からなっている、と指摘します。つまり「見る」ことと「見られること」。見ることは見られることによって成立するのです。もし、フロイトの指摘した通りであれば、窃視障害(DSM-5)に考えをめぐらすとその障害の全く別の側面が見えてきます。とりわけ加害であればなおさら。

 加害として窃視は、当然その行為は露見しないことが前提です。ところがその心理的には窃視が見られる、つまり気づかれないことには成立しないことを意味します。気づかれないはずだという勝手な思い込みがある一方で、見ていることを知ってほしい。加害としての窃視はこうした矛盾が隠されています。

 阿尾日記 ラジオ編
  阿尾の家ではいつもラジオを聴いています。PCやスマートフオンではなく、中華ラジオと呼ばれているトランジスタラジオを買いました。選曲つまみを指先の感覚をたよりに放送局の周波数に合わるのではなく、DSPラジオなのでプッシュボタンとデテントボリューム?で簡単に選曲できます。対岸の徳島の四国放送はもちろんのこと、夜になるとニッポン放送がよく入ります。受験生気分です。トランジスタラジオをききながら、熊野詣での本を読むと気分はもう熊野の森の中です。


                    ジークムント・フロイト 中山元(編訳)(1997)  「エロス論集」ちくま学芸文庫                      (ホンダタカシ)

2019/02/01 09:51 | 未分類trackback(0)  | top

猪 熊楠の『十二支考』

 本年もよろしくお願いします。
熊楠1
 水木しげるの「熊猫」を読み終えて、熊楠と猫をテーマにした本、「熊楠と猫」南方熊楠・杉山和也・志村真幸・岸本昌也・伊藤信吾(2018)  共和国(出版社の名前)、という珍しい本を手に入れました。
 猫に関する論考、俳句、手紙などが載っていますが、目を引いたのは筆で描かれたと思われるたくさんの猫の絵です。猫の体温を感じさせるやわらかな身体の線が墨の筆で生き生きと描かれます。猫好きでたくさんの猫の絵がありますが、いわゆる猫かわいがりではなく観察対象でもあったようです。時に邪険にあつかったともあります。

 動物に対する最も有名な論考は、「十二支考」南方熊楠 板倉照平(校訂) 平凡社東洋文庫 全三巻、です。今年の干支である猪について熊楠は民族学、人類学をはじめとしておびただしい数の図書を駆使して論述します。その解説によれば、例えば『蛇に関する民族と伝説』の章では「引用書目およそ142種、英54、日50、漢26、仏6、羅2、伊2、独2」とあるそうで、語学力もさることながらその博覧強記ぶりはすさまじい。

 『猪に関する民族と伝説』(第3巻)は、干支は亥(イノシシ)であるが大陸の猪は豕(ブタ)のことであるとの説の紹介から始まります。古くは豕の子を猪(和訓でイノコ)、豚といい、さらに野生の猪を野猪または山猪といい、家で畜った(かった)のを家猪と呼んでそうです。

 豚をブタと訓んだのは明の時代、室町時代から江戸時代初期の頃で、広島や京都では家猪として飼われいたという。太っていることを形容する言葉としても使われていたらしい。

熊楠2  続けて、アリストテレスやプリニウスの著作にもあるとありますが、猪が蛇を食べるテーマと転換し、猪による毒蛇除けの伝説へと移ります。
 さらに、1915年版のルーマニアの動物伝説を記した書籍から紹介される話もあります。方舟で有名なノアが葡萄を植えていると天魔(悪魔の一つ?仏教語?)が来て山羊の血、獅子の血、豕の血をその根に注いだ。後に、「チョビッと酒を飲むと」山羊のように跳ね回り、「おいおいに」飲むと熱くなって獅子のように吼え、「飲みまくって、・・泥中に転げ廻って、汚れも気にせず、猪の所作をする」と。

 世界のさまざまな文献から、猪の伝承やその土地その時代の人と猪のつながりに始まって私たちの世界観が息つく間もなくつむぎだされていきます。高速回転するメリーゴーラウンドに乗っているように楽しくてワクワクする読書体験ですが、振り落とされないようしがみついているが大変です。

 物質使用/濫用などアディクション(嗜癖)の治療や支援でよく見かけるKhanzian(1985)の自己薬物治療仮説について書こうと準備しましたが、それは次回にまわして、滅法面白い熊楠のお正月らしい話題としました。              (ホンダタカシ)

2019/01/03 16:30 | 未分類trackback(0)  | top

クリスマスバージョンのSST

SST/ソーシャルスキルズトレーニング
クリスマスシーズンということで
ハーバリウムボールペン、リース作り、ツリー作りを自由にしてもらいました。
このような創作活動の目的は雑談をする、自己表現の場、周りをみること、達成感など様々。
黙々と作業をする学生さん、作品を認め合いながら作業する学生さん、喋り続けるわたし(笑)、お菓子を食べながらなのでいつもよりリラックスしている学生さんなどなど。
雰囲気は良かったです。
学生さんからのコメントでSSTして声が大きくなり笑うことが増えたとご家族に言われたとあり心理の先生もわたしもすごくうれしいひと時でした。
許可を得て写真掲載しています。

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(正井佳純)

2018/12/20 23:27 | 未分類comment(0)trackback(0)  | top

初動対応要員First Responder

  トラウマには、一人の個人だけに起こるトラウマ出来事もあれば、ある特定の集団に影響するトラウマ体験があります。ここでは、SAMHSAをかりて、集団のトラウマ、特に初動対応要員First Responderについてご紹介します。

 初動対応要員First Responderとは、直訳すれば最初にFirst、応答した人Responder、つまり救助救急隊員、消防隊員、警察官などをさしますす。さらに、ライフガード、兵士、宗教家、メンタルヘルスなどの専門家も含まれるとされています。職務とする人たちが中心ですが、中にはボランテイアの方もいらっしゃるかもしれません。

 こうした集団は繰り返しトラウマを経験します。集団に属する人たちは、集団外の一般の人にはすぐには理解できないのではないかと思い、仲間内にとどめておこうとするかもしれません。そのうえ、突然の重要な任務を遂行し眼前のニーズに敏感になるために反応を抑制する、つまり感情を抑制しトラウマ体験を抑圧しようとするかもしれません。SAMHSAの指摘です。
 
たとえタフであったとしても、後の心身の健康を考えれば、初動対応に
青海従事される方の十分なケアは必要ではないか思います。
SAMHSA(2014). TIP 57: Trauma-Informed Care in Behavioral Health Services. A Treatment Improvement Protocol. Substance Abuse and Mental Health Services Administration  U.S. DEPARTMENT OF HEALTH AND HUMAN SERVICES.  pp. 38-39. Retrieved from  http: //store.samhsa.gov/product/TIP-57-Trauma-Informed-Care-in-Behavioral-Health-Services (January 9, 2018)

阿尾日記4
 秋が深まって海は緑青からその青さを深めていきます。波止へ行くと、使い込まれて年季を感じさせるバッカンやクーラーボックスなどをスムーズに手返しできるよう並べた常連さんた朱海 ちが測ったように陣取っていらっしゃいます。風に悩まされた私たちは全く釣れません。でも、漁協直売店で買い求めたカワハギをほぼ薄造りにして、そのカワハギの濃厚でありながらさっぱりした肝をといた醤油につけていただくと、それはそれは秋の海の味わいです。                            (ホンダタカシ

2018/11/26 21:01 | 未分類trackback(0)  | top

猫熊/華燭の宴

「小説を読む楽しみの一つは、単に話の筋を追っていくのではなく、言葉が次の言葉
猫熊
を紡ぎだしていく、その連鎖反応を、いわば言葉という生き物の、紙の上での生成過程を味わい尽くすところにある。」
 読み手のプロ、坪内祐三さんです。読んでいるときのワクワク感までがじょうずに表現されているなあ。坪内祐三『シブい本』文藝春秋社(平成9年)。あまり知られていない文字どおりシブい本ばかり紹介されています。
 この本に水木しげる『猫楠 ー南方熊楠の生涯ー』角川文庫(平成8年)が取り上げられていました。
熊楠は、自分が思ったように生活に突きすすみ、躍動感のある巨大な子どものようだと言われます。そんな熊楠に対して「幸福ってなんだろう」と考えることを趣味とする猫熊がチクチクと話を進めます。十数語Wed1.jpgの言語をあやつる猫好きの熊楠は猫語も(幽霊語も!)できたらしい。
 粘菌を中心に自然界(や霊界)の研究に没頭した熊楠の生涯、「有限である人生でどれほど幸福でありえたか」を猫熊が考察します。 

   過日、新郎新婦の友人がたくさん参加される晴れやかな結婚式に参列しました。新郎はWed2.jpg卒業生です。宴ではたくさんのスライドショウが披露されました。新郎の勤務する福祉事業所の職員さんたちが次々に登場してご挨拶されたスライドは、障害者施設の紹介としても楽しめるものでした。また新郎の大学時代の行事の場面などいくつかのエピソードも映し出されました。懐かしいシーンです。列席した友人たちもほと んどが新郎の同級生、つまり私が10年ほど前に教えた学生です。顔は覚えていましたが、うーん名前が出てこない。ごめんなさい。蛇足ながら、新郎新婦は犬好きです。
     (ホンダタカシ)

2018/11/06 08:09 | 未分類trackback(0)  | top

エース・ピラミッド

 児童期逆境体験ACEsが、その後の人生で身体的にも心理的にも強い影響をあたえ続けることはこれまで繰り返したとおりです。児童期逆境体験ACEsとは児童虐待と家庭内での暴力の暴露や問題飲酒など家庭の機能不全をさします。

 児童期逆境体験 ACEsが段階的に影響をあたえ続けていることを図で示したものがエース・ピラミッドです。エース・ピラミッドはCDCのホームページhttps://www.cdc.gov/violenceprevention/acestudy/about.html、その元となったFelittiらの論文にも図2(Felitti et al., 1998, p.256, Figure 2)として示さAce Pyramidれています。


 「児童期逆境体験s」のピラミッドは、「これが疾病に対してどれほど強く関係しているかを明らかにしたもの」です(CDC)。子ども時代のつらかった逆境体験に対して、対処できずにただ目と耳をふさぐだけ、逃げ出すか耐えずビクビクするほかなく、また誰からもケアや援助がない状態では少しづつ心身に悪い影響をあたえ続けます。末尾のsは複数であることを示します。以下も同じです。

 研究が進められている領域のようですが、脳神経のネットワーク化など神経の発達が盛んな子ども時代にはトラウマの影響は見逃すことができないといわれています。児童期逆境体験は「神経発達」を妨害します。ただし、この領域はFelittiらの論文にはありません。

 
 人づきあいがしんどくなって友人が減る、何をやってもうまくいかないと自信をなくし、思い出したくもないのに突然その時の嫌な記憶が頭に浮かぶ、などが「社会的・心理的・認知的(機能)障害impairment」です。

 さらに進むと、喫煙、アルコール、違法薬物などを使用し、「健康を害するリスク」が高まります。リスクある行動を増やすことで、エースで生じた不快感や不全感に対して一時的にせよ無感覚になろうとしているのかもしれません。

 その後、病気にかかる、いろいろな実行する能力が障害されdisability、社会での問題に発展しかねません。反社会的な行動をした人に児童期逆境体験が多いとの指摘があります。



 その結末は「早すぎる死」です。つまり、児童期逆境体験は主要な死因に結びついていると指摘されます。活動や活躍の期間を短縮し、心身の健康を阻害する社会的な損失です。その意味でも児童期逆境体験ACEsの予防は喫緊の課題です。

Felitti, V. J.,  Anda, R. F., Nordenberg, D., Williamson, D.
F., Spitz, A. M., Edwards, V., Koss, M. P.,&  Marks, J. S.(1998). Relationship of Childhood
Abuse and Household Dysfunction to Many of the Leading Causes of Death in
Adults.  The Adverse Childhood
Experiences (ACE) Study.
American Journal of Preventive Medicine. Volume 14, Number 4,
pp. 245-258.

阿尾日記祭礼3

 夕方に波止場で鯵釣りをしていると、私の後に白と茶の小柄な猫がじっとすわっています。猫の視線に負けて、たまらずに釣れた鯖を投げるとはやわざで鯖をくわえて走りました。そこへトンビが急降下。鯖をくわえた猫がトラックの下に潜り込み、セーフ。

 庭の金木犀の根元がかなり掘り返されていました。蟹のいたずらにしては大がかりだし、人間のしては中途半端です。墓参りのために通りがかった大家さんに尋ねるとあらい熊ちゃうか、と。おー、ラスカル。でもイメージとは違ってどう猛で危険らしいです。この金木犀は大きくなりすぎて剪定され、今年は花がつかないようです。すこし残念です。


  10月になって久しぶりの快晴でした。祭りの登りや灯台が映える青です。

 カメラをぶら下げてうろうろしていると年配の方に呼び止められました。昔は祭事を撮る日ノ御埼灯台カメラマンも多く来たそうですが、最近では人が減ったのでお祭りがさびしくなったそうです。その方は、今のここの高齢化率は◯◯%で、世帯数もカクカクまで落ちたと、数字をまじえて詳しく説明して下さいます。港近くで会った女性も同じように数字をもとに説明されました。 具体的で説得力があります。ここの高齢者は数字にめっぽう強い。私は教える側なのに覚えていません。それこそ「ボーッと生きてんじゃねーよ」と言われそうです。



 日ノ御埼灯台へ向かう海沿いの道は、台風のためかガードレールが流され?、曲がり!、岩や流木が散乱していました。風力発電機は支柱の真ん中で半分に折れています。


 まあるい水平線の向こうに徳島と淡路島が遠望できます。      (ホンダタカシ)

2018/10/14 11:14 | 未分類trackback(0)  | top

箱庭体験

SSTにて箱庭体験を実施しました。
昨年から箱庭をしたいと学生さんより希望がありました。1年かかったけど教職員、学生さんのみんなの力で箱庭を作りました。
箱庭の箱を作ってくれた学生さん、フィギュアをもらいに先生の研究室に声かけする学生さんなど。
一人一人の力ではできなくてもみんなの力で大きな力になることの証明ですね。
楽しく箱庭体験を行いましたが砂のサラサラに癒されることも知りました。
これから箱庭体験ではなく当校では箱庭療法ができるようになりました。
カウンセラーさんのアイテムが増えることでSSTをこえて学生さんの役に立つことになります。
「おっちゃんの夢」と題して箱庭体験した作品です。
学生さんからはブログ掲載許可を得ています。

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(正井佳純)

2018/10/12 14:09 | 未分類trackback(0)  | top

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