星の王子さま

 言わずもがなの世界中で読まれている作品、1140010.gif
サン=テグジュペリの子ども向けの小説である。
これまで読む機会もなく、昨年、はじめて手にとった。 





  この本には、王子さまが自分の星を出て出会うさまざまな大人たちが、どれも滑稽に描かれている。 

   ・ 誰もがみんな家来だと思って、命令ばかりしている王さま
 
   ・ ほめ言葉しか耳に入らないうぬぼれ屋

 ・ 酒を飲むのがはずかしいが、そのはずかしさを忘れるために
   お酒を飲み続ける呑み助
 
   ・ 金持ちになるためにひたすら忙しく星の数を勘定し、
   その所有を主張する実業家 
 
 ・ 命令だからと実情に合わなくても、ひたすら街燈の火をつけたり
   消したりし続ける点燈夫
 
   ・ 決してフィールドワークをせず、部屋にこもって探検家の話を
   ノートに書きとる地理学者


大人になってしまった私には、その大人たちの言動や様子が、自分や自分の周りの人と重なる場面があまりに多くて、読みながら、胸がチクンと痛んだり、苦笑いをするしかなかったり…。 


星の王子さま エントランス銅像そして、王子さまに大切なことを教えてくれる狐の言葉も胸に響く。 

「ものは心で見る。肝心なことは、目では見えない。」 



王子さま
    
   
もし10歳の頃にこの本に出会っていたら、私はどんなことを思っていただろう。 
 「やっぱり大人は変だ」王子さまと同じことを思ったかもしれない。 
 大人になるのが嫌になったかもしれない。 
また、狐の言った言葉の深さを、どれくらい実感して受け止められただろう。 

大人になった今だから、出会ってよかったのかもしれない。 
そう思える本だった。 


写真は、箱根にある「星の王子さまミュージアム」で撮影したもミュージアム風景のだ。
ぜひ本を読んで訪れることをお勧めしたい。
そして、訪れたのならガイドツアーに参加して、展示を見て欲しい。
作者の一生とともに、星の王子さまの世界にどっぷりと浸れるはずだ。


(松本しのぶ)

※本の写真は 、岩波書店 内藤 濯 訳 2000年(ISBN4-00-114001-2 C8397 )

2010/04/22 15:53 | comment(0)trackback(0)  | top

心揺さぶられた本ベスト

職業柄、本は私にとって仕事の道具である。
と同時に、本を通して、未知の世界と出会ったり、
ものの見方を新たにするという、
とても貴重な経験を私に与えてくれるものだ。

今年度もたくさんの本を読んだ。
机に座って読む本、布団のなかで寝る前に読む本、
電車のなかで読む本。。。
もちろん、本棚の積ん読も多い。。

さて、そのなかで、今年度、最も心揺さぶられた本を、
独断と偏見でご紹介しよう。

物乞う仏陀 (文春文庫)物乞う仏陀 (文春文庫)
(2008/06/10)
石井 光太

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この作品は、カンボジア、ラオス、タイ、ベトナム、ミャンマー、
スリランカ、ネパール、インドの「物乞う人々」を取材した
ルポルタージュである。

そこに出てくるのは、地雷の犠牲になった幼い障害児だったり、
ハンセン病者だったり、肢体を切り落とされた
ストリートチルドレンだったりする。
彼ら彼女らはみな、戦争、絶対的貧困、闇社会など
社会の矛盾を背負わされ、過酷な境遇の下に放り投げられた、
しかし、バイタリティみなぎる人たちだ。
その現実そのものの衝撃。
そして、日本にぬくぬくと暮らす自らの立ち位置について考えると、
消化できない塊が私の心の中に残った。そんな作品だ。

砂脇 恵



2010/03/23 13:30 | comment(0)trackback(0)  | top

週刊マンガ日本史に種智院が!

週刊マンガ日本史という雑誌をご存知ですか?
毎号、一人の歴史上の人物をクローズアップし、漫画と最新の学説でその偉業を伝えるという朝日新聞出版から出ている雑誌です。

「読めば絶対日本史が好きになる!創刊号は卑弥呼!」
というCMを見た方も多いのでは

毎号違う人気マンガ家が執筆するということと、TV「世界一受けたい授業」でおなじみの歴史研究家・河合敦先生が監修をしていることで、話題になっています。

私は、流行の「歴女(レキジョ)」でも、マンガオタクでもありませんが、
この雑誌、CMを見たときからちょっと気になっていました。
ただ、本屋に陳列されているのを手にとってはみるものの、買うには至らなかったのですが…。

でも、今回、とうとう買ってしまいました

だって、今回の特集は

空海

なんですもの。

 ← クリックで週刊マンガ日本史のサイトへ

そう、種智院とは切っても切れないお方です。
これはもう読むしかない。

で、パラパラとページをめくっていると、

なんと

種智院大学が掲載されているではないですかっっ

しかも写真入りで

以下、掲載文の一部抜粋
********************************************
(空海の)教育者としての業績も見逃せない。当時の大学は有力な貴族などしか入学が許されなかった。そんな状況を憂い、身分を問わず庶民にも開放した「綜芸種智院」という教育機関を設立したのだ。

空海が設立した綜芸種智院の流れをくむ種智院大学には、空海の像を置いた講義室も設けられている。
********************************************

こうやって雑誌に取り上げられているのを見て、改めて、種智院は歴史的に重要な大学なのだと実感しました。

雑誌全体も空海の偉業、そして、真言密教、さらには最澄との関係までもが
わかりやすくまとめられています
マンガならではのところどころに笑える表現があったり、
オールカラーの威力を存分に発揮して色鮮やかな密教芸術も写真で紹介されていたり、充実した内容です。

みなさんも一度、ご覧になってみては?
その際は31ページを要チェックですよ

                                         (松本しのぶ)

2009/11/26 00:00 | comment(2)trackback(0)  | top

星守る犬

『星守る犬』 村上たかし

限りある人生を、犬とふたりで。
山中に放置された自動車から中年男性とその飼い犬の遺体が発見された。しかし、男性の遺体が死後1年経過しているのに対し、犬の遺体は死後3ヵ月しか経過していないという検死結果が・・・。「お父さん」と飼い犬ハッピーの、短くて長いふたり旅。

村上家 日記

星守る犬ー1 星守る犬ー2

「漫画アクション」で去年~連載され、一大ブームになり、多くの応援の声を受けて、単行本になった漫画。
「一昔前なら、ごく普通の不器用だけどまじめに生きてるお父さんです。・・・こんな仕打ちを受けなければならない悪い人じゃありません。・・・こんな人たちが簡単に除けられ、生きにくくなっていく世の中になることだけは勘弁してほしいと思うのです」と村上たかしさんの言葉があとがきにあります。柔らかな言葉ですが、今の社会への強烈なメッセージだと思います。
ここに出てくる人たちが、犬が、自分自身の家族や近い人、関わった人たちと重なります。リストラ、離婚、虐待、家族の絆・・・。いろんな問題が関わってきます。つらすぎてまっすぐ向き合えない場面、もありましたが最後まで、お父さんとハッピーを応援したくなります感動
読んでから3週間ぐらいたつのですが、ずっと頭の中に残っています。

豊田志保

2009/10/28 06:27 | comment(0)trackback(0)  | top

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