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東大寺の薬湯

 今年度一杯で、小寺先生、萩尾先生の人生経験豊富なお二人が本学の専任教員枠を離れられるのは、長年ご厚誼をいただいた一人として、まことに寂しい思いがいたします。今後とも新たな局面でご活躍いただくことと存じますが、まずはゆっくり一息ついて、本学勤務の労を癒していただきたく思います・・・。

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 「労を癒す」と聞いて連想される言葉に、「ゆっくり温泉にでもつかって・・・」という表現がありますが、温泉とまでいかなくても、風呂に入る、入浴するという行為は、日本人にとって古くから大いなる癒し・療養の文化でありました(・・・福祉文化としての入浴の問題については、いずれ詳しく論じたいと思っています)。

 先日、たまたま知り合いの奈良・東大寺のお坊さんから、以下の写真のような入浴剤をいただきました。これは光明皇后1250年忌の当該年を迎えるにあたり、その記念として東大寺さんが製作された生薬配合の薬効入浴剤で、「東大寺薬湯・天真」として一般向けに販売されるものらしいです。                                                   (→参照 http://www.nara-np.co.jp/20100113140749.html

天真袋表 天真袋裏

      【包装袋の表面】                 【包装袋の裏面】

天真   【入浴剤の本体】

 この発売元になっている「財団法人・東大寺施薬院」というのは、戦後間もない1947年に東大寺の中に設置された法人で、もともと大仏建立を発願し東大寺を創建した聖武天皇の后・光明皇后が、天平2年(730)に施薬院を創建して、庶民に無料で薬草を施した故事にちなんで、現代で和漢薬を製作し頒布するために設置された組織です。製薬会社と提携して様々な漢方薬を頒布される中で、入浴剤は今回のものが最初だそうです。

 東大寺では、奈良時代に施薬院・悲田院などを設立し、積極的に福祉事業を推進した本願聖武天皇・光明皇后以来の理念に則って、以上の財団法人のほかにも、「社会福祉法人・東大寺福祉事業団」を設立して福祉事業に取り組んでおられます。

 昭和30年(1955)年に聖武天皇1200年御遠忌の記念事業として肢体不自由児施設・東大寺整肢園が設置され、肢体不自由児の治療・教育・生活指導を行う施設運営が寺内で開始されました。以来、半世紀以上にわたって奈良の地で障害児の療育を推進し、近年も社会的ニーズに即応して更に組織を拡充・改組して、平成20年4月からは重症心身障害児施設(華の明)や、障害者自立支援法に基づく障害児等療育支援事業、短期入所事業なども包含した福祉・医療の総合施設「東大寺福祉療育病院」と名称を改めて事業を推進して居られます。                                                 (→参照HPhttp://www4.kcn.ne.jp/~seishien/

 いずれにしても、東大寺は奈良いや日本を代表する仏教の巨刹であると同時に、寺院の社会福祉事業の展開を考える上でも非常に注目される存在なのであります。

 そのような東大寺から最近市販されるようになった薬効入浴剤の風呂にゆっくりと入浴しながら、心身の癒しを求めるとともに、仏教福祉の精神をじんわりと体感したいと思い居ります。                                                                                       

               合掌(^∧^)

佐伯 俊源

 

2010/01/21 18:49 | 未分類comment(0)trackback(0)  | top

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