裁判員制度と性暴力被害者の人権

 10月初旬に日本犯罪社会学会第37回大会が開かれました。企画のひとつ、「裁判員制度と性暴力被害者の人権 ー性暴力被害者が安心して利用しやすい司法制度の整備ー」というセッションに参加しました。大学の研究者だけでなく、弁護士、報道関係者、NPO法人代表者、それに当事者も発言されてのセッションです。


 昨年5月にスタートした裁判員裁判では、殺人罪,強盗致死傷罪など重大な事件が対象とされています。(最高裁判所裁判員制度HP http://www.saibanin.courts.go.jp/)強姦致傷や強制わいせつ致傷など性暴力事件などは今年5月から9月だけで59件がその対象となりました。(当日配布資料)
 そんななか、裁判の進め方や裁判員選任手続きなどにおいて被害者のプライバシーが完全に保障できるかが提起されました。ビデオを使用すれば顔を誰にも(裁判員にも)見られないのではないかと思っていましたが、顔に傷を受けた(致傷)場合にはみせざるを得ないことがあると聞き、また裁判員選任では名前だけが提示されるので、被害者側からすれば裁判員のなかに近所の人や職場関係者などが含まれるのかわからず苦慮することでした。さらに、被害者が未成年者であれば、一層の検討が早急に必要だとの指摘がありました。

 致死傷となると裁判員裁判となることから、ケガをさせられたにも関わらず致死傷の訴えをためらう被害者がおられる一方で、社会に訴えたいと決意し裁判員裁判に出られた方もいらっしゃるとのことでした。

 性暴力については国連の動きにあわせ、外国での刑法の改正がいくつか紹介されました。フランスでは15歳以下を対象とした場合や被害者に対して権威的な立場にある者(例えば、親)ではさらに刑が重くされているそうです。性虐待です。日本では刑法の内容も社会の意識も古いままで、ジェンダーの観点、子どもの保護、被害者の二次的被害や心理的負担などその保護の視点などの不十分さへの問題提起がありました。書きだすと長くなりますが、性暴力のほんの一面しか知らなかったと気づき、あらためて勉強しました。

 会場は裁判員制度を想定した”法廷教室”が使用されました。この教室は裁判員と裁判官あわせて中央に9名の席があり、向かって左に検察官、右に弁護士、正面に書記官と証言台があり、反対側の柵を隔てた傍聴席が実際とは違い階段教室になっているもので、初めて目にしてびっくりしました。(TVドラマのシーンそのものです)

 会場となった世田谷の国士舘大学へは、渋谷の少し先、ドーム状の三軒茶屋駅から東急世田谷線に乗ります。窓が大きく、ヨーロッパの路面電車をおもわせます。(阪堺線とはちょっと違う)2両固定編成で入口と出口が区別されており最初は戸惑いました。

 帰りに「没後120年 ゴッホ展 こうして私はゴッホになった」(http://www.gogh-ten.jp/tokyo/)を見に六本木の国立新美術館へ参りました。スタイリッシュな美術館で、変なたとえですがどこを撮っても絵になります。
 
ゴッホってはじめの頃、教則本を見ながら練習してたそうです。知ってました?

本多隆司


2010/10/29 11:00 | 未分類comment(0)trackback(0)  | top

 | BLOG TOP |  NEXT»»