英国の「適切な大人 Appropriate Adult」制度

PanD-J043.jpg 『イギリスとわが国の「発達障害者と触法」を考える』という講演会の一部を報告します。主催は、NPO法人 PandA-Jで、Pとはプロテクション、Aはアドボカシーで、主に知的障害・発達障害に関連での活動されてます。

 刑務所改革トラストPrison Reform Trustのジェニー・タルボットさんとイギリス自閉症協会The National Autistic Societyのリチャード・ミルズさんが、終身刑にまつわる問題、自閉スペクトラム障害ASDと触法などエキサイテイングなテーマで講演されました。そのなかで、ジェニー・タルボットさんの講演「適切な大人Appropriate Adults; AA」制度についてご紹介します。(終身刑はlife sentencesと言うのんだと初めて知りました)

 警察に逮捕された人(被疑者)のなかには、少年(英国の制度では17歳)や”傷つきやすい/脆弱性のあるvulnerable”な大人がいます。傷つきやすい/脆弱性のあるとは、精神障害、あるいは「精神的に傷つきやすい mentally vulnerable」者とされます。ちなみに、英国(イングランドとウエールズ)の刑事責任年齢は10歳!で、日本や多くのヨーロッパは14歳です。
 こうした人たちは、身体拘束されている時に
  ・自分の持つ法的権利が十分に理解できない
  ・質問されていることの意味や自分が話していることの意味が理解できない
  ・目前の利益のために、虚偽の自白をしてしまう
といった問題(リスク)が生じる可能性があります。そこで、本人の権利を守るため「適切な大人AA」が呼び出されます。

 その役割は、こういったことです。
  ・取調べを受けるものに助言する
  ・取調べが適切かつ公正に行われているかを観察する
  ・取調べを受けている者と警察官とのコミュニケーションの促進
それだけではなく、身体検査やDNAサンプル、指紋など個人識別の手続にも立ちあうよう求められています。

 傷つきやすい被疑者の感想は、「警察官がテープを止めて、僕に説明してくれたことがよかった。何を言われているのかよくわからないことだらけだったから」、「聞かれたことを、違う言い方で言ってもらったので、やっと意味がわかった」などだそうです。
 vulnerableとは、攻撃、害、避難などを受けやすく、防御が不十分という意味ですが、ぴったりの語感を探すのが難しい語です。appropriateも適切な、とかふさわしいという意味ですが、「適切な大人」といわれるとちょっとピンとこない印象です。

 一定時間トレーニングはあるものの人材の養成や確保、法的な義務付けないこと、裁判には導入されないなど課題は多いそうです。(英国には日本の検察に相当する機関はないそうです)しかし、改良しつつ日本にも導入すべきだと主張されました。
 フロアーからは、賛成の意見だけでなく、取調べなどの可視化の議論が始まった段階で導入が可能なのか、弁護士との役割の明確化などさまざま意見がありました。刑事司法での障害のある人への対応などを考えれば、検討にあたいするものだと思います。
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  夕食は、浅草の駒形どぜうです。どぜう(ドジョウ)は淡泊でくせがなく、柔らかです。出汁で炊き、葱を山盛りのせていただきます。二鍋(皿)はへっちゃらです。R0013891.jpg
この駒形どぜうの筋向かいは、バンダイの本社です。R0013888.jpg ドラえもんやウルトラマンがお出迎えです。 (本多隆司)
 


2011/06/24 11:00 | 未分類comment(1)trackback(0)  | top

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