あとを絶たない孤立死

 先週、自宅からそう遠くない住宅街で74歳の男性が白骨死体で発見された。新聞によると、男性を訪れた親族が平屋建て家屋の窓ガラス越しに白骨化した遺体を見つけ110番通報をした。部屋の壁には2002年1月のカレンダーがかかっていたので死後10年ほど経っていたのではないかという。男性はかつて同居人がいたが、その後別居して一人暮らしだった。なぜ10年間も誰も気づかなかったのかと思えて仕方がない。

 この地域の隣の町内では、昨年に60代姉妹2人が孤立死した事件があったばかりで、市では現在その検証作業が行われている最中である。期せずして隣接する地域で高齢者の孤立死が相次いだ形である。これらの地域は駅から徒歩5分程の住宅密集地で、民生委員や地域住民による見守り活動や、ふれあいサロンなど高齢者の地域での居場所づくりが早くから設置されている、いわば市内では地域福祉の先進地と見られている地域である。

 新聞で報道された翌日がちょうど「市の地域福祉計画見直しシンポジウム」が開かれた日であった。普段、地域福祉を進めている関係者の衝撃は大きかったにちがいない。こうした高齢者の孤立死や閉じこもりを防ぐため、国では「孤立死防止推進事業(孤立死ゼロ・プロジェクト)」を進めている。また市や社会福祉協議会では一人暮らし高齢者を対象に、「ふれあいデイハウス」、「保健師等の家庭訪問」、「緊急通報装置の貸出し」、「配食サービス」、「民生委員による見守り訪問」、「老人クラブの友愛訪問」、「SOS登録カード」などこれまでもさまざまな取組みを行ってきている。

 地域で孤立する人がないように公民による多様な取組みが行われているが、残念なことに地域福祉活動が活発に行われている地域ですらその網の目からこぼれ落ちる高齢者が後を絶たない。現在の取組みに問題はないか、抜本的な対応策はなにか。今回の孤立死の徹底した検証が待たれる。
                                            (明石隆行)
 

2012/01/30 13:33 | 未分類comment(0)trackback(0)  | top

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