コベントリー市とレディ・ゴダイバ

 27日のロンドンオリンピック開会式に先駆けて行われた女子サッカーで、なでしこジャパンがカナダを破り、まず1勝をあげた。不調が心配された沢選手の活躍も予定どおりであった。この試合が行われたシティ・オブ・コベントリー・スタジアムは、ロンドンから列車で北へ1時間ほど行ったコベントリー市にある。ここは日本人にはあまり知られていないが、津崎哲雄先生訳の『現代地方自治体社会福祉の展開/コベントリー市社会福祉部編』(1988年)に導かれて1990年に高齢者福祉対策を視察するために2週間滞在した懐かしい町である。
                    (コベントリー大聖堂とレディ・ゴダイバ像)
                   縮小版 大聖堂とレディ・ゴダイバ

 ヨーロッパの町の多くがそうであるように町の中心に大聖堂がそびえたっている。しかし、この聖堂は第二次世界大戦でナチス・ドイツの空爆にあい、一部を残してがれきとなった。聖堂は爆撃された当時のまま保存されており、平和を希求するシンボルとなっている。保存にかかる費用はドイツが負担しているとか。

またコベントリー市の大聖堂の近くには「レディ・ゴダイバ(Lady Godiva)」像がたっている。この像は11世紀ごろの有名な伝説がもとになっている。話のあらすじはこうである。
重税に苦しむ領民を気の毒に思ったゴダイバ夫人は領主である夫に税を軽くするよう願い出たところ、「お前が全裸で馬に乗って町を一周したら考えてやろう」と告げた。それを受けて、夫人は全裸で馬に乗って町を一周したので夫はゴダイバの願いを叶えて税を軽くしたという。この時、領民はゴダイバ夫人の行動に心を打たれ、窓を閉めて閉じこもった。しかし、ただ1人外を覗いていた男がおり、夫人に付き添っていた家来に目を矢で射られた。これが「のぞきのトム」(peeping Tomピーピング・トム=デバガメ)の言葉の由来になった。

20年ほど前に訪れた時はちょうど「レディ・ゴダイバ」の像が移築中で別の場所にテントで囲われて見えなかった。案内してくれた市の福祉部長ジムが、「テントのすき間から覗いてみろ」と肩車をしてくれたので像をみることができた。ジム曰く、「俺たち、のぞきのトムをやってしまったな」。

 市役所近くのビルの壁にはカラクリ時計が掛けられており、毎時になると全裸で馬にまたがった「レディー・ゴダイバ」が姿を現す。続いて、片目に眼帯をした「のぞきのトム」が出てくるしかけになっている。トムが姿を現すところで見物客から笑いが起こる。

訪問時にいただいた「コべントリー市社会福祉事業概要書」の表紙にも「レディー・ゴダイバ」がデザインされている。
                    縮小版 事業概要書

 Godivaのスペルを見て、ベルギーの高級チョコレートを思い浮かべた方はかなりのチョコレート党ではないか。その会社名も同じスペルだが発音(表記)が異なる。「ゴダイバ」ではなく「ゴディバ」と発音している。シンボルマークも「レディ・ゴダイバ」である。
コベントリー市の「レディ・ゴダイバ」がどのようにしてチョコレートの会社名やシンボルマークとして使われるようになったのか、知っておられる方はいらっしゃらないか。その節はこのブログのコメントにお願いしたい。
(明石隆行)

2012/07/30 00:57 | 未分類comment(0)trackback(0)  | top

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