はじめて経験した高山病

 この夏、トップオブヨーロッパと呼ばれる標高3517メートルのユングフラウヨッホ(スイス)展望台に登って初めて高山病を経験した。
 ユングフラウヨッホに登ったからといって、自分の足で歩いて登ったわけではなく、ホテルの目の前にあるグリンデルワルト駅から登山電車で約1時間25分、そのままいっきに3500mまで登ったのである。

           (ユングフラウヨッホ展望台から望遠でとらえたユングフラフ本峰4158m)
               縮小版①ユウグフロウ

 スイスのほぼ中央部にあたるグリンデルワルド(1034m)から登山列車に乗り、クライネ・シャイデック(2061m)で乗換えて、アイガー(3970m)、メンヒ(4107m)両山中に掘られたトンネルを抜け、ヨーロッパで一番高いところにあるユングフラウヨッホ駅に着く。途中、トンネル内にある「アイガー北壁駅(アイガーヴァント)」と「氷海駅(アイスメーア)」で5分間ずつ停車する。いずれの駅にも山に窓が開けられており、外を眺めることができるようになっている。ユングフラウヨッホ駅に着くと、100m上にあるスフィンクス展望棟(3517m)に超大型エレベーターであがる。その間26秒である。展望台は快晴、気温2℃。風はほとんどなし。超ラッキー!

 展望棟にあがったとたん、足元がふわっとした感じで、建物がゆっくりと揺れているような船酔いのような感覚が襲ってきた。できるだけセカセカせずゆっくりと行動するが、しばらくすると胸がどきどき動悸をうってくる。標高が高く空気が薄いので、いきなり高山病の症状が現れた。

                 (ユングフラウヨッホ駅に向う登山電車)

                 縮小版②登山電車

 それもつかの間、ガラス張りの屋内展望スペースから、そのまわりをぐるりと取り囲む屋外展望バルコニーに出てみると、360度、白銀のパノラマに目を奪われ、高山病のことはどこかにいってしまった。青空のかなたにユングフラフ本峰(4158m)の雄姿をこの目ではっきりとらえることができた。ラッキー!
 展望台には氷河をくりぬいた「氷の宮殿(アイスパラスト)」がある。氷の彫刻が展示して見学できるようになっている。その他にレストランやカフェテリア、ギフトショップもある。郵便局もあり、日本の赤いポストも設置されている。ここから投函すると、ユングフラフヨッホ郵便局の消印を押してくれる。このポストに絵葉書を投函する。
 展望台で4時間ほど過ごしたが、だんだんとしんどくなってきた。中国人の女の子などはベンチでぐったりして酸素ボンベで空気を補給してもらっていた。登山電車に乗り、高山を離れグリンデルワルトのホテルに戻るころには高山病の症状はとれた。少し頭痛もしていたがはきけもせず呼吸困難にもならずに済んだ。

        (アイガー北壁駅にあけられた窓から2000メートル真下に見えるグリンデルワルトの村)
                 縮小版③アイガー北壁駅からの展望


 ユングフラウヨッホへの玄関口であるインターラーケンそのものが、チューリッヒからくると秘境に来たように感じる。そこからさらに登山列車でグリンデルワルドへ、そしてクライネ・シャイデックを経て3500mのユングフラウヨッホ駅まで登山鉄道で行くことができるのだが、この鉄道網が開通したのがなんと今から100年前の1912年、日本では大正元年のことである。今年は開通100周年にあたる記念の年でもある。
 高山病の症状が現れたことには驚いたが、100年も前にアイガー、メンヒをくりぬいて、ユングフラフヨッホ駅まで鉄道を敷設したスイス人の鉄道技術はすごいと驚嘆した。鉄道ファンには「アタリマエダ」であるが、単なる旅人には大きな衝撃であった。
 次回は、もうひとつハートにズキンときたスイスの氷河特急を紹介する。

             (ユングフラウヨッホ鉄道網 開通100周年の記念プレート)
                  縮小版④100周年記念プレート


 (明石隆行)

2012/09/03 00:09 | 未分類comment(0)trackback(0)  | top

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