新総合事業のゆくえ

  改正された介護保険法が今年の4月から施行されているが、改正に伴って新しく設定された新総合事業をほとんどの市町村がH28年4からか、遅くともH29年4月に事業を開始する予定である。この4月から実施している数少ない自治体の実施状況が少し見えてきた。М市の場合、要支援1・2の通所型(デイサービス)と訪問型(ホームヘルパー)の類型を、「専門型」「短期集中型」「緩和型」の3タイプで実施する方針を固め、事業者との調整を経て、8月からの開始となった。

  事業展開に課題が2点でてきた。結論的に言えばひとつは、通所型の「緩和型」の事業者が思うようにみつからないということである。今年4月に介護報酬が2割ほど下げられたこと、通常の介護報酬からさらに基準を下げる「緩和型」では「専門型」と同じようなサービスを提供するにもかかわらず、介護報酬が「専門型」の約7割になるため参入できないでいる。当初、実施を予定していた事業所もこの介護保険報酬を見て見送っているところもある。兵庫県のある市の事業者の協議会も、「緩和型」では採算が合わないので提供できないと判断しているようである。

  「訪問型」ではどうかと言うと、サービス提供をするホームヘルパーが集まらないという。これは、総合事業の「緩和型」だけの話ではなく、介護サービス(介護1~5)のホームヘルパーも足りない現状に加えて、「緩和型」で介介護報酬が3割ほど下がるサービス提供はとてもではないが手がだせないという。人材が確保できないことでホームヘルパー(訪問介護)事業所が廃業しているところもでてきている現状がそれを裏付けている。

  事業者の参入が進まない、ホームヘルパーが足りない、ということを考えると、これから始めようとしている市町村にとって新総合事業のゆくえはかなり厳しい状況が待ちかまえているといえよう。
(明石隆行)

2015/11/23 08:51 | 未分類trackback(0)  | top

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