わたしたちに、きけ

 「ビジョン提案型デザイン手法」を学ぶために、日本人間工学会アーゴデザイン部会のワークショップの一部に参加しました。
Ergo2.jpg 人間工学というのは私たちが活動しやすくなるように空間やモノ、仕組みをデザイン(設計)することです。この「ビジョン提案型デザイン手法」はユニバーサルデザインの観点から、新しいサービスや製品を提案して、ユーザーの総合的な満足を考慮した手法とされています。(第1回ビジョン提案型デザイン手法シンポジウム資料 平成21年6月19日)研究会やシンポジウムが開催され、現在も進化中です。ペルソナとかバリュー、ラダリングなど耳慣れないマーケーテイング用語?が飛び交い、ちょっとドキドキです。

 対象となる利用者、ここではユーザーとよんでいますが、その本質的な欲求をつかみ、ビジネスとしての提供方針を明確にしつつ、サービスや製品を練り上げ、提案します。ユーザーの本質的価値をつかむための「ペルソナ」という手法を研究会資料からご紹介します。(「ビジョン提案型デザイン手法の実践」ワークショップ資料 アーゴデザイン部会2010年3月12日、13日)

 事例として「洗濯」が対象となりました。そのユーザーとして、”一人暮らしの若者”が想定され、ペルソナとして”大山裕介24才男性。ルーズな性格だけど、きちんとしていると見られたい私立大学の就職担当職員。”が登場します。居住形態、趣味、興味や関心、性格、スキルなどを詳細にインタービューして明らかにします。その結果、洗濯や服の手入れ方法などの知識はないし、それに時間もとられたくないが、就活する学生のマナーの見本にはなりたい。服装の細かな点には、こだわりがある。現状のクリーニング店には満足していない。
 こうしたユーザーに対して、クリーニング事業者、家電・業務用機器メーカー、家電メーカーの3社が事業として乗り出すという想定です。ユーザーを中心におきアイデアを練り上げた結果、外部クリーニング事業と連携したクローゼット型洗濯機が提案されました。
ERGO.jpg
 ちょっとあらっぽいご紹介でしたが、前回の事例では視覚障害者のある女性のペルソナで、携帯電話などを活用した癒しの新サービスが提案されました。この研究会には、研究者や学生だけでなく、家電メーカー、システムや携帯電話などのIT関連企業の開発者、生産ライン技術者などが参加され、製品やサービスだけでなく、行政サービスのプランニングにも導入できるとの意見もありました。
 技術や工学系でありながら、福祉的、心理学的(知覚や認知)、KJ法などの発想、経営などさまざまな分野が関与しているように感じます。

 これまでの授業では同学会の「ユニバーサルデザイン実践ガイドライン」を使っていましたが、こうした手法も導入したいてと思っています。
 ユニバーサルデザインを提唱したロン・メイスの7原則は大きな影響力を持つものですが、具体化にはこうしたユーザー=人間を中心においた考え方や手法が不可欠です。アクセシブル・デザインやデザイン・フオー・オールというものです。意味や文脈はずいぶん違いますが、Nothing about us, without us(私たちぬきで私たちのことを決めるな)ということばを思い起こさせます。   本多隆司

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2010/04/02 17:40 | 未分類comment(0)trackback(0)  | top

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