不連続シリーズ:社会福祉のもうひとつの現場 (その1)住民福祉審議会

 社会福祉のもうひとつの現場を不連続で紹介していきます。
 ふつう社会福祉の現場といえば、ねたきり老人が生活している特別養護老人ホームの介護現場であるとか、障害者が授産事業を行っている施設を現場ということが多いと思います。確かに、日常生活をしていくうえでさまざまな困難を持っている人たちと直接かかわっているところが社会福祉の現場です。
 しかし社会福祉にはこうした現場だけではなくもうひとつの現場があります。市町村の社会福祉の方向性を審議したりする社会福祉審議会、要介護度を認定する介護認定審査会、サービスの苦情処理委員会などの現場です。こうした現場は、社会福祉サービスを必要とする人と直接かかわっているわけではありませんが、間接的にかかわっているもうひとつの現場ということができます。この不連続シリーズではあまり知られていないもうひとつの現場の実践をお伝えします。

 さる7月末、大阪府下のある町の住民福祉審議会の場面です。健康福祉部長のあいさつで始まりました。健康福祉部長といえばその町の社会福祉行政の最高責任者、つまり一番エライひとです。その部長さんが実は女性だったので驚きました。というのも社会福祉の現場では男性より女性が多いのが一般的ですが、社会福祉行政のトップが女性であることはほとんど例がないからです。
その日の議題は2つです。ひとつは、「母子家庭等自立支援計画」について、もうひとつは、「次世代育成支援対策行動計画」についてです。「次世代育成支援」とは少子化時代における子育て支援をどのように行っていくかということです。現在、社会福祉を進めていくにあたっては市町村では計画を作成して、その計画に基づいてサービス提供を行っていくことが基本となっています。
 今回は2つの計画を作成するために、審議会に各々の計画を検討する部会を設けること、計画作成のスケジュールを決めること、計画作成のための住民アンケートの内容を検討しました。次回は、2つの部会で詳しく検討がなされ、アンケートの結果が取りまとめられる12月ごろに開催される予定です。

 この審議会には、高齢者団体、障害者団体、母子福祉団体などの当事者団体、民生委員、人権協会、医師会、歯科医師会、税理士事務所、婦人協会、社会福祉施設などの関係団体、公募で選ばれた市民など、地域の様々な人たちがメンバーになっています。このほか保健所、教育委員会、高等学校の先生などの教育行政や私のような大学教員も加わっています。この審議会も町の社会福祉行政を審議している社会福祉のもうひとつの現場です。
 こうした審議会(現場)は公開が原則となっていますので、申し込んでおけば学生諸君でもだれでも出席(傍聴といいます)して聞くことができますので、ご関心のあるかたはお住まいになっている市町村の審議会に出席してみて、社会福祉のもうひとつの現場を体験してみてはどうでしょうか。                                                           明石隆行

関連記事

2009/08/10 09:00 | 未分類trackback(0)  | top

 | BLOG TOP |