「多死(たし)社会」がやってきた

 94歳 90歳 91歳 92歳 100歳 82歳 62歳 98歳 88歳 93歳 96歳 75歳 ・・・・

 年末、この季節になると「喪中」のはがきが届く。学生諸君のところには来ることはめったにないと思うが、今年になって亡くなった身内の「喪」に服しているため、年末年始のあいさつを欠礼するというものである。ここにあげた年齢は「喪中」のはがきに記されている亡くなられた方の年齢である。ごらんのとおり高齢の方が非常に多いことに気づく。亡くなられた年齢が記されていないものもあるので、もう少し多いと思う。続き柄では「母」が最も多く、「父」、「祖母」と続く。少ないが「妻」、「祖父」や「弟」もある。
 いつもあまり気にしていなかったが、例年になく多い気がしたので昨年と比べてみると、2倍ちかくきている。
 
             IMG_2679_convert_20101218221827 喪中のはがき(挿入)


 日本は、2007年から年間死亡者数が出生数を上回っている。つまり、生まれてくる者より死ぬ者のほうが多い時代になった。これを「多死社会」と呼んでいる。平成19年10月から20年9月までの1年間の出生児数は約110万人である。一方同じ1年間の死亡者数は約114万人で、死亡者数が出生児数を約4万人上回り、人口が初めて自然減に転じた。このことは平均寿命が伸びたことによって生じているわけで、今後も死亡者が増え続けていくことが確実視されている。

 死亡者の内訳をみると、全死亡者に占める75歳以上の死亡者の割合は約67%である(平成20年)。これを65歳以上まで広げると、全死亡者の約84%を占める。亡くなる人のほとんどが65歳以上といってもよい。これらの高齢者をケアする人は、同じ世代の80~90代か、そのひとつ下の世代の70~60代の人たちである。

 こうした「死亡者の高齢化」は葬送、終末期ケア、介護、見守りのあり方に影響を与え始めている。毎日、届けられる「喪中」のはがきは多死社会の到来を告げている。  合掌。

            九十の端(はした)を忘れ春を待つ(阿部みどり女)
                                                                      (明石隆行)

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2010/12/20 00:14 | 未分類comment(0)trackback(0)  | top

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