加害行動にいたる要因

 ゲイリー・D・ブランジンゲイム(著)『自閉症スペクトラム障害、その性行動ASD.jpgと治療的介入入門』という本に興味深いことが書かれていました。
 米国精神医学会の「精神疾患の分類と診断の手引DSM-Ⅳ-TR」では、広汎性発達障害のなかに自閉性障害、アスペルガー症候群/障害、特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS)などが含まれていますが、それらは連続したものととらえ「自閉症スペクトラム障害」としています。次期のDSM-Ⅴではそのように変更される考えもあるようです。
 
 この本では、自閉症スペクトラム障害のある人がなぜ加害行動にいたるのか、その調査研究のひとつとしてデビッド・アレン他(2008)が紹介されています。アレンらは英国の自閉症スペクトラム障害のある加害者16人を調査して、準備因子、誘発因子を想定しました。

 準備因子とは加害行動の背景で、かってリスク要因とされていたものです。「結果に対する関心のなさ」が最も多く、次いで「社会に対する無邪気さ」、「結果に対する意識のなさ」、「衝動性」などが続きます。
 誘発因子とは、加害行動の引き金、きっかけです。「社会の拒否」が最多で「いじめ」、「性的拒否」、「家庭内の葛藤」と続きます。
 準備因子のある状態があり、誘発因子が外側からもたらされると加害行動が出現する可能性があるという考え方です。ここで注意したいのは、社会での孤立をはじめ、誘発因子はどれもが何らかの努力で減らす、あるいは消し去ることが出来るという点です。

 これら二つの因子に加え、加害行動を繰り返し起こさせるものを永続因子がある。リチャード・ミルズ(2011)は「単に罰を与える」という因子を第一にあげました。逆に見れば、支援が不可欠ということです。
 他にも興味深いところがありますが、それはまたいずれ。インフルエンザの高熱と悪寒のジェットコースター状態でアップロードがずいぶん遅れました。 (本多 隆司)

*Blasingame,G.D.,(2011). An Introdution to Autism Spectrum Disorders, Sexual Behaviors, & Therapeutic Intervention. Neari Press

 





関連記事

2012/01/20 08:15 | 未分類comment(0)trackback(0)  | top

コメント

コメントの投稿



管理者にだけ表示を許可する

 | BLOG TOP |