自然とは何か?

 東洋における「自然」とは、花鳥風月など人間以外の自然環境や鉱物、さらに宇宙を含めて「自然」と呼んでいる。森羅万象すべてが仏性を持つ対象であり、人間は自然環境に生かされていることに「感動」「感謝」してきた。
 西洋における「自然」とは、キリスト教によると、神が世界を創造し、神が人間を創造する際に「海の魚、空の鳥、家畜、地のすべての獣、地の全ての這うものを治めさせよう」と述べている。つまり、「自然」を対象として観察し、自然科学が発達してきた。
 宗教的背景をもって、自然と人間が一体となった東洋の自然観、自然を人間とを区分してきた西洋の自然観が理解できる。これは、宗教と科学の接点、東洋思想と西洋思想の接点に立つ問題である。
三段壁
 ダーウィンの競争原理に基づいた進化論も西洋人には魅力的なようである。しかし、東洋人にとって自然生物は平和共存するものであり、個体は進化を繰り返すという説がある。 免疫学研究者や遺伝子学研究者たちは、自然を愛し、花鳥風月に感動し、森羅万象に感謝すると、ミトコンドリアが活性化しクエン酸回路が安定する。つまり自然環境によって遺伝子スイッチがON状態になるという。

 前世紀末からの西洋文明では、科学的有効性が優位に立つことで宗教・哲学の地位は結果的に引き下げられ、科学的活動に対する哲学的反省が欠けていることで科学的思考と哲学的思考の二元論が生まれた。ソーシャルワーク(社会福祉実践)の本質に関しても、道徳か?科学か?という二分法を巡る議論がくりかえされている。
森
 湯川秀樹や福井謙一は、「自然と両立する科学」「自然を尊敬する科学」に自分の研究がどのように関わるのかという先見的視座が必要であると述べている。
 自分自身の社会福祉学研究においても、自然環境と人間の接点を明らかにしていくことが、「望ましい人生」への課題に貢献できるものと考えている。

(山下裕史)

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2009/09/02 09:18 | 未分類comment(0)trackback(0)  | top

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