おこだでませんように

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(2008/06)
くすのき しげのり

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くすのき しげのり・作 石井聖岳・絵『おこだでませんように』小学館、2008年

先日、保育園の絵本室で息子にリクエストされて読み聞かせた絵本です。

ぼくは いつも おこられる。
いえでも がっこうでも おこられる。


物語はこのように始まります。
主人公の「ぼく」は小学1年生。
仕事で時々お母ちゃんの帰りが遅く、妹と留守番する「ぼく」。妹が泣き出し、帰ってきたお母ちゃんに
「また いもうと なかして!」
「まだ しゅくだい してないの!」
    と怒られる。
宿題していないのは、妹と遊んでだからやと言えば、お母ちゃんにまた怒られるので、「ぼく」はだまって怒られる。

学校でも、サッカーに入れてくれない友だちにいじわるを言われ、悔しまぎれにキックやパンチをして友だちを泣かしてしまう。そこに駆けつけた先生は、「ぼく」だけを怒る。
「また やったの!」「ぼうりょくは いけません!」とのお叱りに、
でも「なかまに いれてやらへん」と いわれたのは ぼくの こころが もらった パンチやで
という言葉は飲み込んだまま、「ぼく」は、だまって おこられる。

ぼくは どないしたら おこられへんのやろ。
ぼくは どないしたら ほめてもらえるのやろ。
ぼくは……「わるいこ」なんやろか……。


と考えてしまう「ぼく」。

学校では7月7日の七夕に、子どもたちに短冊を書いてもらうことに。
友だちは「サッカーせんしゅに なりたい」とか「ピアノが じょうずに なりますように」と思い思いの願い事を書く中、「ぼく」は、一生懸命願い事を考えた。そして、ひと文字ひと文字、心を込めて書いたのが

おこだでませんように

その短冊を見た担任の先生が、泣きながら、
「せんせい……、おこってばっかりやったんやね……。ごめんね。よう かけたねえ。ほんまに ええ おねがいやねえ」とほめてくれた。
その夜、先生がお母ちゃんに電話してくれて、お母ちゃんも「ごめんね。おかあちゃんも おこってばっかりやったね」といって、ぎゅうっと抱きしめてくれた。

たなばたさま ありがとう。
きょう、ぼくは ものすごく しあわせです。
おれいに ぼく もっと もっと ええこに なります。


ここで物語は終わります。

人間にはそれぞれ、物語があります。
こうありたい自分。こうであった自分。その時々の揺れ動く思い。
そして、それを聴き届けることの大切さを、身につまされつつ実感した作品でした。

七夕の季節。おすすめの一冊です。

砂脇 恵




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2012/07/04 16:15 | 未分類comment(0)trackback(0)  | top

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