老々支援の時代

 「私の地域ではお年寄りがお年寄りを支えなければならず、老々支援ですわ」という言葉を聞いた。高齢者の妻が高齢者の夫を、高齢者の息子がその親を介護することを「老々介護」と呼ぶようになって久しい。しかし、「老々支援」という言葉を聞いて、はっとした。
 これは、さる8月初めに兵庫県下のK市社会福祉協議会が開催した「地域福祉推進計画策定部会」での委員の発言である。どういうことかと言うと、支援を必要とする高齢者などを地域で支える仕組みが地域福祉であるが、その委員が住んでいる地域では高齢化が進み地域を支える力が弱くなってきている、というのである。

                    (大阪では珍しいりんごの木。ご近所で。)
                  縮小版 リンゴ

             
 K市全体では高齢化率は23%で全国平均であるが、この委員の小学校区では40%近くになっており、ほぼ2人に1人が65歳以上である。30%を超えようとしている学区もいくつかある。自治会、老人クラブ、民生委員、消防団など、地域を支える活動をしているのはほとんどが高齢者である。高齢者の孤立死を防ぐための見守りや防災の機能も高齢者が担っている。それが「老々支援」という言葉になって出たのである。

 K市はなにも特別な自治体でなく、人口16万人の大阪のベッドタウンの一つであり、大都市近郊によくあるサラリーマン層が多く暮らす街である。そうした自治体で現在進行しているのが、「老々支援」である。高齢者の孤立死などは近所の人が見守りをして早く気づくことで防ぐことができるのだが、その見守りをする人自身が高齢者で、支え合いができなくなってきているという事態があちこちの地域で起こっている。地域福祉計画を策定する会議では、家庭内だけでなく「地域での支え合いにおいても老々」の時代になっていることを実感する。

              (ナイス・キャッチ! ボーダーコリーが公園で早朝練習)

                 縮小版 ナイスキャッチ

 (次回の予定は8月27日(月)ですが、8月30日(木)に変更します。明石隆行)

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2012/08/13 00:34 | 未分類comment(0)trackback(0)  | top

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