共感と同情

 共感empathyは、福祉にかぎらず対人援助をする人の基本的な心構えです。たぶん、社会生活を営むうえでも必要なスキルです。

 共感を新明解国語辞典でひくと、「他人と同じような感情(考え)になること。」とあります。心理学辞典にあった説明ですが、例えば、内定の決まった学生のうれしそうな声を聞き、よかったなと思う時は共感です。同情とは言いませんね。でも、就職試験でひどい目にあったという学生に対して、同じようにそりゃひどいとJSO.jpg 思った時、それはどちらかと言えば同情sympathyです。

 共感も同情も、他者の視点や立場におくところは同じですが、その時の他者の気持ちや考えを想像することは共感につながります。共感と同情はよく似ていますが違います。

 共感は「異なることが当然だ」と思うことから始まります。同じ経験をしても同じ気持ちを持つわけではなく、他者のサインを読みといたうえで、他者の気持ちなどを想像することです。一方、同情は「同じことが当然だ」と思うことからで、同じような経験をした時の自分の気持ちをもとに想像します。共感には認識のプロセスがありそうです。( Ryan,G., Leversee.T., & Lane.S.(2010). Juvenile Sexaul Offending. Cause, Consequences, and Correction. 3rd. edition. Wiley. p.303〜304)

 先の例から見ると、来年の4年生も大変だろうなと予想したり、将来就活のことを思い出してきつかったねと回想するのは、どちらかと言えば共感(的理解)ですね。共感にはこんな広がりがありそうですが、心理療法の世界では逆に「いま、ここ」に比重をおくことが多いようです。
 
 共感はまず自分自身の感情に気づくところから始まります。どうすれば気づくことができるのか、感情は自分自身に何を伝えているのか。 犯罪加害者を対象に、被害や被害者を理解するワークを行なっていますが、その重要なテーマの一つが共感(的理解)です。共感と同情を対比させることが鍵のひとつになりそうです。

  閑話休題。今年11R0015295.jpg月にオープンした横尾忠則現代美術館http://www.ytmoca.jp/へ行きました。展覧会のテーマは「反反復復反復」。自作がなんども模写され、変化していきます。

 反復の一つのテーマである「Y字路」と題された3枚は、いずれも川の中洲のようなとんがった所に建つ民家を中心に二手に分かれた道路がYT.jpg描かれます。気になる存在です。

 画集(東方出版, 2006)まで買ってながめています。そこには69のY字路がさまざまな表現で描かれています。夜が多いのも特徴です。分岐する風景に選択や分岐などの隠喩を読み解くよりも、Y字路そのものを鑑賞するというか愛でている感覚です。
 
 横尾忠則・タモリ・糸井重里が「Y字路談義」http://www.1101.com/yokoo_tamori/2004-07-07.htmlというものをやっています(ほぼ日刊イトイ新聞)。そのリンクにY字路画がたくさんあります。ご鑑賞ください。Y字路だけでこれほど話せるんだ!    (本多隆司)
 

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2012/12/21 10:18 | 未分類comment(0)trackback(0)  | top

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