オールドニュータウンの問題

 先週の土曜日に近畿地域福祉学会が開かれた。今回のテーマは「京都発 福祉コミュニティの再興 結びなおしをめざして」である。午前中の自由研究発表に続いて、午後からはパネルディスカッションが行われた。そのひとつに「オールドニュータウン」の問題がとりあげられていた。

                 近畿地域福祉学会(同志社大学で)
              縮小版 地域福祉学会看板

 1960年代からの高度成長期に全国各地に建設が進められた大規模な住宅地は「ニュータウン」と呼ばれている。大阪の千里ニュータウンや泉北ニュータウンがそうである。当時30~40歳代を中心としたサラリーマン層が一斉に入居した町である。それから約50年がたち、その人たちが後期高齢者(75歳以上)になった。当時、若い世代ばかりが住んでいたニュータウンは今や高齢者だけの町に変貌して「オールドニュータウン」と呼ばれている。

 京都市西京区に昨年、結成30年周年を迎えた福西校区がある。福西校区がある洛西(らくさい)ニュータウンもオールドニュータウンとなった住宅地のひとつである。入居開始後、福西社会福祉協議会(校区福祉委員会とも言う)が結成された。ニュータウンがオープンしたころは、福西小学校には約1700人が在校し、京都市内で2番目のマンモス校であったが、現在の児童数は、約260人と激減している。その一方で高齢化が進行し、平成22年度の26%から8年後の平成32年には49%になることが確実視されている。

 福西社会福祉協議会では、高齢者を対象とした会食会、健康すこやか教室、配食サービス、ふれあい喫茶、困りごと生活支援(有償ボランティア)、NPO洛西共助会による訪問介護をはじめ、障害者を対象とした事業など、住民による幅広い地域福祉活動を活発に行っている。さらに、福西校区独自に「福西・福祉のまちづくり活動指針」を策定し、住民が地域福祉の必要性と意義を感じることができることを目指している。

 福西社会福祉協議会では、他の地域の模範となるような充実した地域福祉活動の実践が行われているが問題点がいくつか指摘されていた。 
 住民の半分近くが高齢者となり、生活課題がますます増えてきているが、多様な地域福祉活動を支える人がどんどん少なくなっている。というのも若い世代は進学、就職等で地域から出て行くいっぽう、新たに地域へ入ってくる人が少ないためである。もうひとつは、地域福祉活動は自治会を基盤とした校区社会福祉協議会が中心なっているが、自治会に加入する住民が減ったり、役員になることを避ける傾向も住民にある。また、自治会が組織されない地域もでてきている。
超高齢化と自治会の衰退といった現象は全国の「オールドニュータウン」共通の問題であり、過疎地とはまた違った形で地域福祉活動そのものが困難になってきている。テーマである「福祉コミュニティーの再興」の妙手は何か、模索が続く。

                     まもなくクリスマス。ご近所の玄関先で。
                  縮小版 まもなくクリスマス



                                             (明石隆行)

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2012/12/23 00:59 | 未分類comment(0)trackback(0)  | top

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