「手のひらを太陽に」は、アンパンマンだった

  
   ぼくらはみんな生きている 生きているからうれしんだ ♪
      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
   ミミズだって、カエルだって、アメンボだって ♪ 
   みんな みんな 生きているんだ 友達なんだ


 何度も耳にし口ずさんだこの歌が、昨年94歳で亡くなったアンパンマンの作者、やなせたかしの作詞(いずみたく作曲)だったことをつい最近知って驚いた。漫画家は詩人でもあったのだ。

 
 それに、彼によるとアンパンマンは幼児のために作ったのではないと言う。テーマソングの「アンパンマンマーチ」を見るとそのことがよくわかる。


    何のために生れて 何をして生きるのか ♪ 
    答えられないなんて そんなの嫌だ

 
 このような哲学的なというか深い意味のメッセージが最初に出てくる。
 後半には、

  
   時は早く過ぎる 光る星は消える ♪
   だから君は行くんだ微笑んで

   そうだ!嬉しいんだ生きる喜び ♪
 
 これに及んでは、諸行無常とか、人生の短さを詠ったギリシャの哲学者セネカの詩さえ浮かんでくる。アンパンマンのおじさんは多くの詩を残した。この2つの詩もそうだが「共にいきる」、「今を生きる喜び」を謳いあげている。東日本大震災の直後に被災地のラジオからこのマーチが流れ、多くの人々の励ましとなった所以である。

 アンパンマンは幼児のためのアニメだとばかり思っていたが、『アンパンマンの遺書』(岩波現代文庫)を読んでまったく違うことがわかった。そう、漫画家の多くがそうであるように社会へのメッセージの手段が漫画でもある。
(明石隆行)

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2014/01/27 21:42 | 未分類trackback(0)  | top

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