「○○になっていく」存在

 子どもが親を通じて社会の適応基準を内面化していくことを社会学では社会化という。子どもの社会化に焦点が当てられがちであるが、実は、親も子育てをしながら子どもから影響を受けて(社会化されて)親になっていく。仕事一筋で子育てを母親任せにしてきて「父親になりきれていない人」も少なくないが。人はみなお互いの関係において影響しあって変化し、成長(?)して「○○になっていく」存在なのである。

                     縮小版 山鉾巡行
                            (初めて経験する「山鉾巡行」)                                                             
  「あたしだって初体験なんだからさ・・・」。これだけ聞くとドキッとするが、『ヘルプマン』(くさか里樹)のひとり暮らしをしている100歳近くの蝶子さんのセリフである。そう、年をとるのも高齢者になるのもみんな初めての経験なのである。「前にも経験したことがある」なんて人はいない。退職、年金受給、孫の世話、早朝のラジオ体操への参加、古稀のお祝い、離別、高齢者医療制度への加入、介護を受ける、等々をひとつひとつ経験しながら人は「高齢者になっていく」のである。

  そんなことを考えていたら、人の一生というのは「父親になる」や「高齢者になる」だけではなく、生まれてからこのかた、「少年になる」、「大学生になる」、「社会人になる」、「妻になる」、「母親になる」、など、「○○になる」の連続であるということに気がついた。要するに人は一生、社会化を続けていく存在なのである。
(明石隆行)

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2014/07/29 08:47 | 未分類trackback(0)  | top

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