みごとなたとえ話

 社会福祉の専門用をわかりやすく説明するのに苦心することがある。昨日読んだコミックにみごとなたとえ話がのっていた。なるほどこんなふうに説明するのかと、おもわず膝をたたいた。

                   縮小版 最低生活
 

先輩ケースワーカーが新任ケースワーカーに説明する件。
「これらの要件を満たす限り、すべて国民は生活保護を無差別平等に受けることができる。」
「生活困窮に至った原因は一切問わない」
「生活保護はあくまで『現在の困窮』だけを見て、過去を問う制度ではありませんからね。」
「過程はともなく困窮したから福祉事務所にきたわけです」
「医師が患者に『かつての暴飲暴食のせいで体を壊した』からって、『自業自得だから治さない』とは言わないのと同じです。」
「これを『無差別平等の原理』と言う。

  つまり、生活保護では申請にきた人に「あなたはこれまでの怠惰が原因で貧困になったのだから」といって過去の生活態度を理由に申請を認めないとうことはない。
生活保護法では貧困に陥った原因による差別を否定している。生活に困窮しているかどうかという現在の経済的状況に着目して保護が行われるのである。
 この生活保護法の「無差別平等の原則」というが、難しい用語を患者の治療を行う医師にたとえ、端的に説明して見せたのはみごとというほかはない。

  高齢者介護、児童虐待など社会福祉関連のコミックは多いが、知る限り生活保護のコミックは初めてではないか。区役所に配属された新人の女性ケースワーカーが主人公。大変なケースに悪戦苦闘するストーリーに生活保護制度についての説明が挿入されている。現役のケースワーカーかその経験者が書いたのかと思うほどリアルな内容である。

  こんなコミックをよくみつけてくるなあって? 実はこれを見つけたのは担当教員ではなく、高校を訪問して社会福祉学科の説明をしている事務職員のOさんである。Oさん、見つけてくれてありがとう。

 柏木ハルコ『健康で文化的な最低限度の生活 生活保護って何? (1)』小学館 
2014年10月7日 (2)は平成27年1月に発行予定。待ちどおしい!

                   縮小版 サンパラソル
                     (左:はなみずき、 右:サンパラソル)
                        

                                                                 (明石隆行)

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2014/10/08 08:55 | 未分類trackback(0)  | top

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