菜根譚


 古い町屋が料理屋に生まれ変わっているところが京都市内にあちこちにある。ついこの間、気のおけない仲間といっしょにランチをした「菜根譚(さいこんたん)」もそのような店のひとつである。庶民的な中国料理店である。玄関を入ると土間になっていて「おくどさん」が鎮座している。築100年の町屋をそのまま使っているのでおせじにもこじゃれたとはいい難い。そのかわりなのかどうか本格的な中華ランチが手ごろな価格で食べることができる。
 
料理に大根やゴボウなどの根菜類を多く使う店なのか、かわった店名だと気にもしなかったが、NHKで「100分で名著28 「菜根譚」 洪自誠」を観て合点した。実は、今回初めて知ったのだが「菜根譚」は中国の古典のひとつである。洪自誠(こう・じせい)という人は中国明代末期の随筆家で日本での人気が高いそうである。古くは作家の吉川英治、最近では野村元監督や企業人などが愛読しているという。

菜根という言葉は、「人よく菜根を噛みえば、すなわち百事なすべし」からきている。店のホームページによると、「堅く筋の多い根菜を噛み締めてこそ、真の味わいがわかる。旬の京野菜を使った中国料理をお作りしております」とある。もちろん「譚」は、「話、物語」という意味である。

「100分で名著」の解説では、筋が多い根菜を噛み締めるというのは、苦しい境遇に耐えることができれば、人は多くのことを成し遂げることができるという深い意味がある。このほか、人生の本質を捉えた処世訓が満ち溢れている。

真の味わいがわかる京野菜の中国料理も栄養たっぷりの名著「菜根譚」もお勧めである。

縮小版 猫の置物
(本文とはまったく関係がない:最近家に来た猫の置物:リサ・ラーセン作)
(明石隆行)

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2014/12/01 21:14 | 未分類trackback(0)  | top

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