研修はむつかしい

 家庭裁判所調査官の方を対象に研修をしました。テーマは「軽度知的障害と非行」です。こ家裁の両者は直接結びつくものでないので、こういう分野があるわけではありません。しかし、家庭裁判所にとっては喫緊の課題のひとつだそうです。

 確かにデータをみると、療育手帳の所持者のうち、軽度の人はここ数年上昇傾向です。ただし、所持率が不明ですので軽度児者が増加しているとはいえません。また療育手帳を所持している人だけに焦点を当てるのでは不十分です。特別支援教育での研究からは、コミュニケーション、社会生活、友人関係など多彩な課題が示唆されています。(独立行政法人国立特別支援教育総合研究所(2012) 特別支援学校(知的障害)高等部における軽度知的障害のある生徒に対する教育課程に関する研究-必要性の高い指導内容の検討-研究成果報告書 研究代表者井上昌士http://www.nise.go.jp/cms/7,7041,32,142.html

 家庭裁判所があつかうのは家事事件と少年事件です。事件といっても「事件記者」の事件ではなく、法律上の争い事の単位で事例に近いかと思います。家事事件は、子の親権、養子縁組、相続、後見開始などです。少年事件は、20歳未満の非行で、当然ですが男子女子両方です。

 家庭裁判所調査官は、家庭や非行問題に対して、心理学・社会学・教育学など専門分野の知識や技法を駆使して、アセスメントや支援方策を検討、提案する専門家集団です。
 採用試験に合格すると2年間の養成研修を受けて後、調査官に任命されます。高度な研修を受けておられるので、さて何を話したものか、かなり迷いました。テーマとしている「性問題行動のある知的・発達障害者」から さまざまに伸びたトピックを軸にお話ししました。思いもよらない質問も頂き、障害者支援歌1施設や特別支援学校 での研修会とは少し雰囲気が違うエキサイティングな研修でした。

  閑話休題。枡野浩一さん短歌の「かんたん短歌の作り方」ちくま文庫(800円) です。ケルト神話の本を探していたら、たまたま見つけてそのまま立ち読みです。下から読んでも簡単短歌。
 のっけに右の歌が出てきます(p.33)。ストレートに屈折しているところにびっくり。石川啄木か和歌くらいしか浮かばない程度だったので。
 五七五七七であること、縦書き、古文で習ったような表現はしない、などの他に、「九、自分と同じ経験をしていない人にこの表現は通じるか?と常に自問してください。」とか「十一、自分の書いた言葉を他人の目になって読み返す力、それが文章を書く力です。」とか、表現に対してまっとうなアドバイスがくりだされます。もと少女コミックの連載などとあなどってはいけません。
 俵万智・一青窈「短歌の作り方、教えてください」角川ソフィア文庫(電子版600円)は、一青窈が俵万智に短歌を教わるというものですが、「空を押し上げて」(ハナミズキ)などの一青窈の強い表現を俵万智が短歌に仕上げる面白い対談です。     
『 短歌って単語単語のボクシング右だ左だ待ってろよ今に』    おそまつ(ホンダタカシ)





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2014/12/19 10:05 | 未分類trackback(0)  | top

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