時間を感じる「時感」

近年、多くの国々においてDALY(disability-adjusted life-years:障害調整生命年)と呼ばれる指標が保健医療資源の配分の政策決定に用いられている。精神疾患は、この指標によって生活障害を伴う疾患がもたらす膨大な損失が可視化された。DALYでは、その病気に罹患した人の死や障害がどれほどの時間的喪失につながっているかを一元的に示している。一般に精神障害の人は、健常人に比べて20年老化が進んでいると出ている。ちなみに、DALYで評価すると「がん」「うつ」「脳血管障害」が主要三大疾患である。相変わらず、わが国の予算配分は身体疾患に偏っているが、両方に罹患した人が確実に増加する。将来は、精神保健介護士が必要になるかもしれない。こういう話は、若い学生さんには、ピンと来ないかもしれないが、今のひきこもりの人(第1世代10万人以上)が2030年には、65歳になることも課題の1つである。働く経験がないまま、大勢の人が年金受給者になる可能性があるのだ。

そんな関心から『せっかち文化とのんびり文化の徹底比較」あなたはどれだけ待てますか?』ロバート・レヴィーン 草思社を読んだ。。この本の中には、ある社会学者が文化適応の難しさを調査した話が出てくる。食べ物や、生活水準よりもっとも新しい場所に行った時に難しいのが、全般的な生活ぺースと「大多数の住民がどの程度時間を守るか」であったという。
確かに、東京で精神科救急の電話相談の仕事をしていた時は生活ペースがもの凄く早かった。実際、電話相談員は、「600秒1本勝負!」とマニュアル指導を受けていた。何も、そんな表現をしなくてもいいのに・・・と思ったが新宿の歌舞伎町の事務室での深夜業務だと、「600秒!!」と言いたくなるのかもしれない。

京都へ来て嬉しく思うのは「ぼち、ぼちやりましょう」という言葉である。はじめは「ぼち、ぼちって?どれくらいのテンポ?」とわからなかったが、最近は気にしなくなった。身体もこの言葉に慣れてきた気がする。自分の好みの「時感」を大事にしたいと思うこの頃である。
                                        
                                         真柄希里穂





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2015/02/19 16:24 | 未分類trackback(0)  | top

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