福祉保健オンブスパーソン

 
 4月18日(日)、総務省行政評価局と日本オンブズマン学会の共催で「行政苦情救済&オンブスマン」特別講演会・シンポジウムが開催された。この講演会は日本オンブズマン学会設立10種念を記念して開催されたもので、国際オンブズマン協会副会長(アメリカのダイアン・ウェルボー氏)を招聘し、特別講演とパネル・ディスカッションが行われた。

 民間事業者の提供する福祉・介護サービスの苦情については次の窓口が苦情を受け付け、解決に向けた対応を行う。
① 事業者が苦情解決責任者を決めて苦情の解決にあたる。
② 市町村の介護保険担当窓口が苦情に対応する。
③ 都道府県国民健康保険団体連合会が設置する苦情処理委員会
④ 都道府県社会福祉協議会が設置する運営適正委員会

 一方、行政サービスに関しては不服申し立て(審査請求)制度が設けられている。例えば、申請した生活保護が却下されたことに対して、異議があれば法的に苦情を申し立てることができる制度である。費用はかからず比較的短期間に結論が出される。この決定に異議があれば厚生労働大臣に再審査請求することもできるし、裁判に訴えることもできる。しかし、不服申し立ては対象が行政処分に限られる。裁判は時間と費用がかかるなどの課題がある。
                                    縮小版 ちゅりっぷ
                                      (京都府立植物園で)
 こうしたことに対して、費用も時間もかけず中立な立場で市民の権利利益を擁護する制度が保健福祉オンブスパーソン制度である。大阪府下の枚方市では、平成12年度から「保健福祉サービスに係る苦情の処理に関する条例」に基づき保健福祉オンブスパーソン(福祉保健サービス苦情調整委員)を設置している。市民から苦情申し立てのあった案件について事実関係を調査し、市に対して意見表明、是正勧告、提言などを行う役割を担っている。その結果についてはプライバシーに十分配慮し市民に公表される。

 このようなオンブスパーソン(苦情調整委員)制度は、地方自治法に基づく市の付属機関であり、市長が必要と認めた場合に条例で設置されるもので、すべての自治体に設置されているわけではない。アメリカでもでオンブスパーソン制度が設置されている自治体もあればそうでない自治体もあるとウェルボー氏は語っていた。
(明石隆行)

関連記事

2015/04/20 08:51 | 未分類trackback(0)  | top

 | BLOG TOP |