PTSDの伝え方

 以前にも心理教育に関連して、ご紹介した本です。
 前田正治・金吉晴(編)(2012)「PTSDの伝え方:トラウマ臨床と心理教育」誠信書房IMG_0671.jpg
 この本はそれぞれが独立した12章に分かれ、トラウマに対する心理治療(サイコセラピー)、災害現場、交通事故、犯罪被害等の他に、学校現場での対応や消防隊員や自衛隊員など救援者のメンタルヘルスなど多岐にわたって論じられています。

 例えば、トラウマに対する心理治療を対象とした章では、①トラウマ内容を重視しその影響排除を目的とした心理教育、②トラウマを重視しながらも外傷記憶のを扱うよりは生活の質の向上をめざすもの、③トラウマを重視しないアプローチ、④トラウマを一時的にたな上げするアプローチ。これらがクライエントにもたらす反応とあわせて詳細に論じられる。
 トラウマを生じた被害体験を面接で聞くことがあります。多くは予想だにしなったタイミングです。それらを思い出し、聞いた時のこちらの応答はそれでよかったのか、自分の意図はどうであったのかなどさまざまに考えます。

 災害現場に関する章では、支援者の心構えとして「サイコロジカル・ファーストエイド(PFA Psychological First Aids)」が紹介されています。アメリカ国立PTSDセンターとアメリカ国立子どもトラウマティックストレス・ネットワークが開発し、兵庫県こころのケアセンターが翻訳し公開していますhttp://www.j-hits.org/psychological/index.html。大変こまやかで実践的な手引き、指針であり、プログラムです。

 「サイコロジカル・ファーストエイド」を提供する準備として『リスクの高い人々に配慮する』とあり、子どもの具体例として、
親(保護者)と離ればなれになっている子ども、
親(保護者)、家族、友達を亡くした子ども
親(保護者)が重傷を負った、あるいは行方不明になっている子ども
里親や児童養護施設によって養育されている子ども
 続いて、こうした場合に安全と安心をどのように提供するかが説明されています。
 執筆者の世界各地での救援の実践もまじえて論述され、よく耳にするわりには実態がわかりにくい”心のケア”の実際を知ることができます。

 一方、PTSDに関して症状、治療法、予後などを伝える=心理教育するという立場をとらない考え方もあります(第9章)。そのなかで心的外傷後成長Posttraumatic Growth PTG、トラウマを生じさせるような出来事に直面して病的あるいは否定的変化だけでなく、思いやりの心が強くなった、自らを信頼する気持ちが強まった、など肯定的な変化、が紹介されています(p.174-183)。

 過日、本学のスダン・シャキャ先生が4月のネパールの大地震について雑誌に書かれたレポートのコピーをいただきました。6月に入ると地震関連の報道はぴビーチたりとなくなりましたが、スダン先生のレポートによれば、家や道路などの損壊だけでなく、寺院など宗教施設や歴史的建造物も大きな被害を受けたとのことです。復興にはかなりの時間がかかると思います。これから雨期に入る由、応援の気持ちは忘れないようにしたいと思います。「月刊住職」2015年6月号http://www.kohzansha.com/jimon.htmlに掲載。門外漢にとってはなかなか不思議な雑誌です。

 「2015年スペシャルオリンピックス夏季世界大会・ロサンゼルス」http://www.son.or.jp/athlete/program/voice_of_athlete/index.htmlに京都のバレーボールチームのアスリート(選手)の方も選ばれて参加されると伺いました。大学で練習されていた方もおられます。6月27日土曜日に大学体育館で練習の予定です。ガンバレ!
(本文とは無関係なノンキな写真です)   (ホンダタカシ)

関連記事

2015/06/19 11:03 | 未分類trackback(0)  | top

 | BLOG TOP |