自然とコミュニティ

ヨーロッパに行くと、地方自治単位の中心部にキリスト教会が存在している。国家とキリスト教会は強く結ばれており、中世におけるキリスト教の福祉事業は国家が引き継いでいったのです。ヨーロッパは、宗教・福祉・文化が強く結びついて福祉国家が生まれました。さらに地域を大切にし、地域に対する福祉政策を構築してきました。ヨーロッパでは男性も女性もお洒落して外出し、鳥がさえずり、美しい花が咲き誇る教会の庭や玄関のベンチに腰掛けて、本を読んだり会話を楽んでいる。高齢者が子どもと一緒に暮らしている世帯は5%程度ですが、家族はスープを運んでも冷めない距離に暮らし、緊急時はすぐさま駆けつけられる距離で暮らすことが望ましいとされています。こうして、在宅福祉サービスが展開されてきたのです。
丘
わが国では昔から、地域に神社や寺が存在し、祭りや年中行事が開催されています。ところが、高度経済成長期以後、核家族化の進行と都市部への人口流動によって、宗教的空間の場や自然空間の場は日本人の意識の中から外れていくことになりました。高度経済成長期には山林を切り開いて高速道路やダム建設に予算投資し、自然環境を壊していったのです。しだいに子ども達は自然空間や神社や寺の空間で遊ぶことができなりました。外で遊べなくなった子ども達にとって、自宅でゲームやテレビに熱中して孤独になっている方がより安全な空間となったのです。さらに、都市部の問題として、いじめや自殺者が増加していますが、これは今に始まった事ではありません。昔は、自然に逃げることができただけです。勉強ができなくても、海に潜るのが得意であったり、魚や昆虫を捕るのがうまかったり・・・。

風車
都市部で暮らすある事例の特徴に、親に怒られ、学校でいじめられ、先生に注意された者は、親からどうこういわれたとか、学校で友人からいじめられたとか、先生が意地悪したとか、相手の反応や空気を読まずに、視野の狭い話を長々と繰り返しています。相手が置かれている状況を考えずに、自己中心的に話し続ける。感謝の念や、季節の話、食べ物の話、お洒落の話、自然の話は一切出てこないのです。
 いまこそ、宗教・福祉・文化が一つになってケア・コミュニティ(癒しの地域空間)を再生すべきときが来ているように感じます。

花

山下裕史

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2009/10/13 09:37 | 未分類comment(0)trackback(0)  | top

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