福祉避難所

 阪神大震災、東北大震災などの災害の教訓を得て、障害者や高齢者など災害弱者のための避難所、つまり福祉避難所の必要性が指摘され、全国で指定が進められてきた。しかし、いまだに余震がおさまらない熊本では、福祉避難所が指定されていなかったり、災害弱者にその存在が知らされていない、あるいは一人暮らしの障害者が自宅で孤立し支援物資も届いていなかったりするなど、災害時の課題が浮上している。
 認知症、寝たきり、重度の障害を持っている人、難病の人などは通常の避難所ではとても過ごすことができない。それぞれに個別に特別な配慮が必要である。厚労省の調査(平成24年9月末時点)によると、1カ所以上福祉避難所を指定した市町村の状況は次のとおりである。

全国767市のうち、515市(65.4%)
全国748町のうち、367町(49.1%)
全国184村のうち、76村(41.3%)

 このデータでは「1か所以上」なので、当然、1か所の自治体も多く含まれている。今回の地震の災害を受けた自治体の福祉避難所の指定状況を調査データから見る限り、指定していない自治体も散見され決して高いとは言えない。阪神大震災からも長い年月が流れ、東日本大震災もついこの間のできごとである。その間にも、多くの災害が発生して避難生活を余儀なくされた人たちも数えきれない。それでいて調査データが示すような状況にとどまっている。
福祉避難所の存在は、災害弱者の生死に直結する。今回の災害弱者が置かれた状況をしっかり検証し、わが町では災害弱者が避難できる福祉避難所が確保できているか、その情報が市民や災害弱者に的確に知らせる体制がとられているか、自宅で孤立するような人はでないか、今一度検証する作業が行政(特に福祉部局)には求められている。
(明石隆行)

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2016/05/08 21:56 | 未分類trackback(0)  | top

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