「共感」再び

 以前にもご紹介した「性犯罪者に対するトラウマ・インフオームド・ケア』という論文についてです。夙川
 非行や犯罪に関与した人のなかには児童期にトラウマをもたらす逆境体験を経験した人が多いことが知られています。逆境体験は本人の基本的なものの見方(世界観/コアな認知スキーム)に影響し、行動の仕方や対人関係の持ち方を変えます。例えば、辛さを紛らわせるために違法薬物哉アルコールに依存するなど。そうした環境下では機能したかもしれませんが、健康的な選択でも適応的でもありません。

 ではどのように支援、指導していくのか。それを論じているセクションに次のような表現がありました。
 「被害者への共感性の低さと性犯罪再犯はつながらないが、性犯罪者自身の加害に対する共感をモデリングすることは犯罪者に新たな経験をもたらし、他者に対する自分の行動の有害さについての歪んだ認知を減少させるかもしれない(Levenson, 2014)。」


 原著は以下;Though low victim empathy has not been linked to sexual recidivism, modeling empathy for sexual offenders' own abuse provides a new experience for the offenders and may he
lp reduce their distorted cognitions about the harmfulness of their behavior on others (Levenson, 2014)

(Levenson, J. S., & Willis, G. M.(2016). Trauma-Informed Care with Sexual Offender. In M. S. Carich & S. E. Mussack (Eds.) Handbook of Se谷6bxual Abuser Assessment and Treatment. The Safer Society Press.p.258.)

 生硬な訳文でごつごつしているところはご容赦いただいて、問題は「性犯罪者自身の加害に対する共感のモデリング」の部分です。前回の研究会(専門職で構成された月1回の 研究会)で話題になりました。加害行為に対する共感ってなに?

 empathy=共感という言葉を聞くと、私たちは情緒的なところに思いをよせて気持ちがわかるというニュアンスで考えます。でも、以前にもこの欄で申し上げたかもしれませんが、どうもempathy 共感谷6aは情よりは理、感情よりは認識に比重があるようです。 

 つまり、あなた(性犯罪者)の行動は容認も賛成もしないが、加害者が犯罪行為につながった道すじが面接者(セラピスト)には理解でき、さらに加害者にとっては他者から理解されることは未経験なことであることから、加害者の考え方や行動を変える可能性がある、と続きます。
 確かに、こうした道すじをたどったと面接者も加害者も理解すると、面接はぐっと進みます。この場合、「共感」よりは「深い理解」の方が適切なのかもしれません。

 翻訳は単語の置き換えではなく言葉の選択の連続で、精緻な読書のようでもあります。

Bとれ閑話休題。BトレインをNゲージで走らせようと、本を見ながらパワーパックを作っています。鉄道模型では、パワー・パックからレールに低圧電気を流し車両のモータを回して走ります。水色の電気機関車は近江鉄道のED14です。http://www.ohmitetudo.co.jp/railway/el/ed141/index.html/
 どこかで配線を間違ったのか、うまく電圧を制御できません。原因究明の日々が続いています。(どこかのメーカーみたいだ)     (ホンダタカシ)
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2016/05/26 17:26 | 未分類trackback(0)  | top

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