発達障害者と自動車運転

 梅永雄二(編著)栗村健一・森下高博(著)(2016運転免許)「発達障害者と自動車運転」エンパワメント研究所(1,200円) という本が今週出版されました。LD(学習障害)、ASD(自閉症スペクトラム障害)、ADHD(注意欠陥/欠如多動性障害)など発達障害のある人が運転免許を取得するする歳の支援や考え方をまとめた多分本邦初の本です。3年間にわたったパイロット事業をもとにしています。 
 著者の栗村さんは鹿沼自動車教習所、森下さんはMランド益田校、それぞれ自動車教習所の方々が執筆された実践的なものです。

 発達障害のある人は社会生活においてさまざまな困難に直面しますが、具体的にどんなことに困っているかが分かりにくいと言われています。運転免許の取得についてはなおさらのことです。
 ASDの人は絵や図などの視覚的手がかりがある方が学習が進みやすい。一方、LDの人は視覚情報の認知を苦手とするので、読み聞かせや録音されたものの利用が適しているとされ、学科教習に取り入れられているようです。

 いくつか事例も紹介されてい弁天町ますが、そのなかに「もっと」、「ちょっと」とか、「流れにのる」などのあいまいな表現がうまく理解できないとの指摘があります。確かに場面や前後関係によって意味が変わる表現はたくさんありますが、発達障害のある人にとって理解の難しいものです。教習では、「3秒間半、クラッチにする」とか「いつもの2倍アクセルを踏む」など 具体的な説明が功を奏したようです。

 これまでの失敗経験も影響してミスがあるとすぐ落ちこんだり、同じ失敗を繰り返したり、といった気持ちの面への対処も重視されています。
 ともすれば見落とされがちな発達性協調運動障害(DCD)の特徴である不器用さー靴ひも結びやボタンはめが苦手などがーハンドル操作やブレーキングのタイミングに影響するので、その配慮も重要とされています。
 教習所によっては、教習生と教習所をつなぐコーディネーターが配置され、個別の教習プランも作成されるようです。まるで福祉事業のようです。

 細かな点にまで目配りされており、指摘されればなるほどと思うところが多い小さな本です。以前ここでご紹介したクラド・フアンデイングという手法で出版にこぎ着けられたそうです。賛同して投資?したので名前が載っています。本を出版するのはとにかく大変です。
 
文書1 以前にもここでご紹介したベン・H・ウインタースの第1作「地上最後の刑事」(ハヤカワ・ポケットミウインタースステリ)はなかなか面白い。半年後の10月4日、小惑星2011GV1が地球に衝突し人類は終わりを迎えるというある日におきた事件は、自殺者が続出してため犯罪とは思われなかった。しかし、昇進したての190センチある長身グランフロントのヘンリー・パレス刑事だけは自殺ではないと確信し捜査を開始する。
 半年しか猶予がないという地上では、だれもが死ぬまでにやりたいことを実現しようとして職場を去り、ハンバーガーチェーンは倒産し、警察署も携帯電話会社も機能を失っていく。 終末を迎えるという設定は目新しいものではないが、こんな閉塞感にみちた世界でパレス刑事は地道に捜査を続ける。モルグで首席検視官の解剖に立ちあった刑事は、帰り際にとんでもない行動にでる。さて。
 明日もまた続くねっとりとした空気は梅雨そのものだ。         (ホンダタカシ)



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2016/06/24 10:51 | 未分類trackback(0)  | top

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