発達障害学会第51回研究大会(於:京都教育大学)でポスター発表しました 

 8月27日、28日に日本発達障害学会第51回研究大会が開催されました。京阪電車墨染駅から近い、緑豊かな京都教育大学が会場です。

 「性問題行動のある知的障害者への地域生活支援の方策に関する考察」というタイトルで伊庭千恵さん(大阪教育大)との共同のポスター発表です。
 性問題行動のある知的障害者を対象とした障害者施設の支援員(職員)による地域生活支援の現状を調査し、効果的な支援実践を検討が目的としたものです。ある法人の100人あまりの支援員を対象に調査しました。
学会1
 その結果の一部をまとめます。支援①〜④は後で説明します。
 (ア)①リスク回避支援と④自己効力感向上支援がよく行われ、支援経験のある支援員はこの2つを組み合わせていました。
 (イ)④自己効力感向上支援は問題行動を直接ターゲットにしたものではありませんが、支援①、②、③それぞれと強く連動させ実践されています。支援される対象者自身が自分の課題に前向きに取り組む意識を向上させ、性問題行動をしないでより良い人生を生きることにつながる重要な支援であると考えました。

 ①リスク回避支援は、問題行動につながる危険ゾーンの把握と回避する(例:問題行動を起こしそうな場所を支援者が把握する)支援です。
 ④自己効力感向上支援は、ストレングスに着目しポジティブな方向性を促進し 自己学会2コントロール感や達成感を向上させるはたらきかけ(例:本人の得意なことを知っている)です。
 ②自己コントロール促進支援(感情や思考に気づき、良い行動を選択するスキルの習得)、③適応行動促進支援適応的な性行動や対人関係の知識やルールの習得)が実践されています。

 自己効力感とは、自分が行為の主体であり、その行為は自己のコントロール下にあり、外からの要請に適切に対応しているという確信・感覚です。その反対が学習性無力感のようになにをやってもだめなんだという感覚です。
 自己効力感を高めようとする支援によってプログラムへの取組みの密度が高まり、自分の行為に対する有効性、つまり問題行動はコントロールが可能でうまくいくはずだという見通しを持つことができます。学会3
 
 問題行動に対して制止・禁止・回避して再発リスクを下げるだけでなく、対象者のストレングスに着目し、健康的な価値の実現に向けての支援こそが問題の再発を防止できるという方向性(グッド・ライブス・モデル)には、自己効力感の向上は不可欠です。

 学会ではポスターを貼るパネルが会場内に多数用意されています。ご覧の通りパネル同士にすき間がないので、この前に発表者が立って説明すると隣のポスターが見えません。そこで、この会場では奇数番号と偶数番号で時間差をおいて発表者が立つという工夫がなされました。指定された時間帯に陣どってポスターをご覧になった方の質問に答えたり意見交換をします。われわれのパネルでは配布資料や刊行した書籍を書籍を並べ、露店の店先のようです。
 われわれの発表には就労支援や相談支援などの障害福祉事業所の方や特別支援学校の先生など実務者が多数ご覧になります。さらに、数年前にお会いした新聞記者の方、学会誌の編集をされている研究者の先生、それに大学の同窓生が来られました。感謝いたします。                (ホンダタカシ)

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2016/09/02 09:30 | 未分類trackback(0)  | top

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