社会的手がかりの情報処理のモデル

  誰かとともに生きているのであれば、周りにいる人の話すことや振る舞い、気持や意図など社会からの情報、社会的手がかりを受け取り、読み取り、リアクションしています。  この一連のプロセスを社会的情報処理と呼びます。Crick & Dodge(1994)は、その再構築されたモデルを提案しています。

 そのモデルは、6ステップからなりっています(p.76)。Crick Dodge
(1)外部手がかりと内部手がかりの符号化
(2)その手がかりの解釈と心的表象化
(3)目標の明確化または選択
(4)応答へのアクセスまたは応答の構成
(5)応答の決定
(6)実行

 抽象的な表現でイメージしづらいかもしれませんが、同ページの図2.「子どもの社会適応に関する再構築された社会的情報処理モデル」(Figure 2. A Reformulated Social Information-Processing Model of Children's Social Adjustment)では詳細にモデル化され、これらの6ステップは順に(1)→(2)→(3)・・・と円環としてつながっていることがわかります。ここにのせた図はそれを簡単にしたものです。
 
  Crick & Dodge(1994)のモデルでは、(1)から(6)に連なるサイクル(円環)の内側に「データベース」があります。「データベース」はコンピューター用語ですが、相互に関連した情報を蓄積、整理、検索しやすくしたものデータのフアイルですが、データベースには社会生活上必要となるルール、過去経験の蓄積であるスキーマ、知識などが含まれます。

 (1)から(6)の情報処理は、その時その場で逐次かつ同時並行で行われます。ここでは「オンライン処理と呼ばれますが、それは社会的知識を絶えず参図照しながら進みます。
 以前の例で言えば、プロレスごっこをしている場面で、相手が組んでいる腕にさらに力を入れたとします。筋肉の情報として伝わり、腕に力を入れたという思考の情報に変換?されます。さらに、相手はケンカのモードになった、あるいは遊びが激しさを増した、といろいろに解釈の可能性がありまが、そのプロセスにデータベースにある相手の出方というスキーマ(記憶)や社会的知識や活用されます。 
 時に相手は出方を変えることだってありますし、解釈を間違うこともあります。解釈(2)から応答(6)へと進むなかで、必要に応じてデータベースの内容は書き換えられます。

 かなり細かな展開ですが、例えば乱暴で攻撃的な子どもとそうでない子どもではどこがどのように異なるか、それを知るには有益なモデルです。相手の言動など外部の手がかりの受信に失敗しているのか、蓄積されたスキーマに頼りすぎているのか、活用すべき社会的知識が不十分なのか。こうしたことが探求可能となります。

Crick, N. R., &  Dodge, K. A.(1994). A Review and Reformulation of Social Information-Processing Mechanisms in Children's Social Adjustment. Psychological Bulletin, Vol. 115, No. 1, 74-101.(仮訳:子どもの社会適応における社会的情報処理メカニズムのレビューと再構築)
暖簾
 早い時間に昔ながらの立呑み屋さんに寄ると年配の方をお見かけすることがあります。聞いてはいけないと思いながらもつい聞き耳を。「今日のデイサービスをおもしろかったな」とか「あの職員はがんばっとるで」とか。おー、デイサービスの二次会のようです。帰り際には、カウンター越しに「明日、デーサービスは休みやで」と声がかかります。街のケアマネです。            (ホンダタカシ)

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2016/11/26 09:48 | 未分類trackback(0)  | top

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