『あなたがあなたであるために ー自分らしく生きるためのアスペルガー症候群ガイド』

    発達障害のある人に発達障害を説明する本として勧められた本です。

吉田知子(著)ローナ・ウイング(監修) (2005) 「あなたがあなたであるために ー自分らしく生きるためのASD本アスペルガー症候群ガイド」中央法規

あとがきにあるように、例えば、
「食べ物を投げて渡せば早く届くし、席を立たなくてもいいから合理的なのに、どうしていけないのか」
と、疑問をなげかける自閉症スペクトラム障害の人たちに、それは確かに合理的かも知れないけれど、多数派の人には動物に餌をやっているような失礼な振る舞いのようにみえ、失礼だと誤解されるから止めた方がいいよ、と助言する本です。

 この本はユニークです。冒頭で、 アスペルガー症候群(自閉症スペクトラム障害)の人たちは多数派(そうでない人たち)とは、何かを考える時に脳の働く場所が違うのだと論文を引用しながらやさしく説明されます。
 なぜこの本では多数派と呼ぶとかというと、自閉症スペクトラムの人は人口の約1%だから少数派だからです。1%というとピンときません車窓が、本書では、
「出会いたいと思うとみつからないけど、知らない間にすれ違っている」(本書p.18)
くらいの状態だと説明されます。言い得て妙です。
 社会性の特徴、コミュニケーションの特徴、想像力の特徴という「三つ組」についても説明されます。どの分野でも必ず長所が先にきます。社会性の特徴としては、『こんな長所をもつ人が多いです』との見出しのあと、
○常識にとらわれないユニークな発想の持ち主
○みん なが無視してしまうようなルールでもきちんと守りたいと思うきまじめさがある
○年齢や身分で相手を判断しない公平さをもつ人が多い   ・・・など。
『でもこんな苦手をもつことも』との見出しでは、
○常識が足りないと言われてしまうことがある
○相手の考えや気持ちがわからず苦労することがある    ・・・など。
壁画
 特徴や特性であって、長所としてとらえなおしています。だから、感じ方や考え方は間違いではなく少数派というだけで す。ただ多数派の人たちのやり方を知らないと長所が生かせないばかりか、うまくいかないことがあります。そうしたところから『パート2 アドバイス編』では『特別な工夫』が示されます。これも実践的なものです。

 この本は、参考図書として紹介するよりは、本人の戸惑いや疑問を解きほぐしながら、支援者がいっしょに読み進めるような使い方をすると効果的だと思います。      (ホンダタカシ)
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2017/03/03 10:15 | 未分類trackback(0)  | top

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