子ども時代のトラウマが成人期の健康を悪化させる

 米国疾病対策センター Centers for Disease Control and Prevention(CDC)のACEで乗り物3 は、児童虐待と成人期の健康や幸せ感well-beingの関連を対象としたCDC-Kaiser ACE(児童期逆境体験)研究をしています。
https://www.cdc.gov/violenceprevention/acestudy/about.html 被虐待など児童期逆境体験が成人期でどのような影響を及ぼすのかがテーマです。
 そうした研究のひとつ、「成人期での死に至る多数の主要因に対する児童虐待および家庭機能不全の関係:児童期逆境体験(ACE)研究」(1998)の概略をご紹介します。

 この研究では、児童期逆境体験の質問項目は虐待と家族機能不全との分けられます。虐待は心理的、身体的、性的の3カテゴリーからなります。家族機能不全は、母親への暴力(の目撃)、同居している家族の誰かが物質乱用である、家族の誰かに精神疾患か自殺企図がある、家族の誰かに収監歴/犯罪歴がある、の4カテゴリーからなります。いずれもいわゆるネグレクトに通じます。各カテゴリーは2から4つの質問項目から構成されます。

乗り物2  調査対象者が児童期での体験したカテゴリーと成人期の健康状態や疾患の状態の関係が、9,508人対象に調査されました(回答率70.5%)。

 その結果、驚くべきことに回答者の半数以上が1つのカテゴリーを体験し、Ⅰ/4は2つ以上であったようです。
 そのうえ、4つまたはそれ以上の児童期暴露カテイゴリーを経験した人と全く経験していない人と比較すると、アルコール問題、薬物乱用、抑うつ感、喫煙、肥満などの健康リスクの率は4倍から12倍へと悪化という結果でした。虚血性心疾患、がんなどの成人期特有の疾患とも関連しているようです。

 子ども時代にこうむった虐待体験の影響は、愛着関係、感情、対人関係など心理面ばかりに着目してきましたが、そこにとどまらず行動や身体状況にまで及ぶことが示されています。成人期になっても心に体にも影響があるのです。

 そのケアが急務であることは間違いないですが、その影響がこれほど広範囲に及ぶということから、虐待など児童期逆境体験については、領域を超えて最も広い意味での対人援助を実践するものにとって不可欠の知識ではないかと思います。

Felitti, V. J.,  Anda, R. F., Nordenberg, D., Williamson, D. F., Spitz, A. M., Edwards, V., Koss, M. P.,&  Marks, J. S.(1998).  Relationship of Childhood Abuse and Household Dysfunction to Many of the Leading Causes of Death in Adults   The Adverse Childhood Experiences (ACE) Study.  American Journal of Preventive Medicine. Vol. 14, pp. 245–258.
博物館

 チェスケー・さてブジェヨビッェのトロリーバスとチェコ国鉄の車両の写真ですが、本文とは無関係です。子どもの頃、京都にも四条大宮あたりでトロリーバスが走っていたことを思い出します。
 プラハにある国立技術博物館 http://www.ntm.cz/enはチェコの工業製品などを展示しています。なかでも乗り物が群を抜いています。吹き抜けの4階建ての展示場に、自動車、飛行機、気球、蒸気機関車、モーターサイクル、自転車などが美しく磨かれてならんでいます。横から見たり斜めからのぞき込んだり、飽きることはありません。博物館を堪能したら、前のレトナ公園で市街地を眺めながら名物のビールを飲んで一休み。      (ホンダタカシ)

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2017/04/14 19:08 | 未分類trackback(0)  | top

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