トラウマのスクリーニング

暗がり2  なぜ性問題行動、性加害行動のある人を対象にトラウマのスクリーニングをするのか。「トラウマに暴露することはありふれたことである」(SAMHSA's TIC, 2014, p.112)からです。以前ここでも、また授業でもご紹介したことがありますが、各種調査の対象者の多くに、トラウマの履歴があったことが示されています。蔓延してると表現するものもあります。

 心理的社会的な課題のある人に対してなんらかの支援やアプローチをするときに、トラウマに関連した症状や障害を知らないままであれば、対象者に対する理解は不完全であるばかりか誤ることさえあります。支援やセラピーは効果を上げにくくなり、トラウマ関連障害を憎悪しかねないとも限りません。

 スクリーニングのツールとして着目しているのが、児童期逆境体験Adverse Childhood Experience (ACE) 質問紙です。現在、既存のACE質問紙を組みあわせ、児童虐待、家庭機能不全にいじめ体験も加え、分かりやすくしたものを作成中です。
 ACE質問紙でスクリーニングすれば終わりというものではありません。スクリーニングで陽性であれば、これまでの記録やアセスメント結果を再点検し、トラウマ関連症状・障害や合併症のアセスメントの段階にはいります。
暗がり1
 スクリーニングではトラウマに関連することだけを探索するのが目的ではありません。その最後は、対象者のストレングス、レジリエンスの確認が必要です。SAMHSA's TICではレジリエンスこのように説明されます。

「個人、家族、地域社会として、立ち直る能力や逆境を乗り越える能力を指す。頑健さという個人の特性以上であって、レジリエンスには困難や逆境、またはどちらかの出来事を切り抜けることのできる利用可能な資質の活用プロセスが含まれる(以下略)」(p. xviii)
 トラウマ・インフォームド・ケアTICは対象者のストレングスに着目しているところから、そのスクリーニングも欠かせません。この冊子にも紹介されていますが、日本で研究されているレジリエンス・スケールがいくつかあります。その活用も検討しています。いずれご紹介します。
SAMHSA's TIC;Substance Abuse and Mental Health Services Administration Center for Substance Abuse Treatment (2014)  A TREATMENT IMPROVEMENT PROTOCOL Trauma-Informed Care in Behavioral Health Services. TIP 57. (U.S.DEPARTMENT OF HEALTH AND HUMAN SERVICES)  (米国物質乱用・精神保健サービス局(2014) 治療改善実施要領:行動面の健康におけるトラウマ・インフォームド・ケア:57のヒント」 あまりに長いのでSAMHSA's TICと略しました)

さて。Sax_20170624175414b82.jpg
最近、サックスの練習に行くと先生からほめてもらえることが増えました。『これは去年のホンダさんには絶対できひん曲やな』と先生はおっしゃいます。うれしいけれど、去年は、ということは最近までそんなにもひどかったのか、と複雑な思いが浮かびます。ほめてもらえたので、よしとしよう。       (ホンダタカシ)
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2017/06/23 09:54 | 未分類trackback(0)  | top

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