種智院大学 よいこの社会福祉学 再トラウマ化を防ぐ
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再トラウマ化を防ぐ

 例えば、食事の時間、プラハの店1 支援のプログラムに食事も含まれていると。
 食事なんていらない、いつも決まったメニューばかりは嫌だなどと不平を言い、食事担当のスタッフに当たり散らす言動を前にすると、なんてわがままで自分勝手な奴、あるいは健康への意識が低く状況の理解が悪いと思われかも知れません。摂食上の問題とみなされることすらあります。

 しかし、トラウマを意識した視点からみたらどのように考えられるでしょうか。例えば、その人の子ども時代、母親はいつも冷蔵庫にあるものをいっしょくたにして無理矢理食べさせようとしていたとしたら。
 食事の時間はみんなにとっては待ちに待った時間であったとしても、その人にとっては子ども時代の嫌な体験を思い起こさせるだけでしかありません。

プラハの店2  その人は食事のたびにわき上がる不快な気持ちに対していら立ちや不満を示します。もし、支援のスタッフがそのことに無頓着で無理解であれば、食事場面での問題行動と考えて注意するか無視するしかありません。一方、その人は過去のトラウマの再燃に一人で苦しみます。

 ここでいう「再トラウマ化Retraumatization」とは、複数の出来事に暴露された影響を指すだけでなく、(以前の)トラウマ・ストレスが再体験されるプロセスです(SAMHSA, 2014, p. xviiiを一部改編)。再トラウマ化のリスクは支援のいたるところにあります。
 SAMHSA(2014)は、支援する側は絶えずトラウマを意識した視点(レンズ)から、支援の方法や内容を点検するよう求めています。もっとも問題なのは、不適切な行動をする人ではなく、トラウマについての知識も意識も関心もがない支援する側です。

  SAMHSA (2014) Trauma-Informed Care in Behavioral Health Services TIP 57.

さて。富士日記
 先日、1泊の入院を経験しました。数人の高齢の患者さんがテーブルを囲んで食事中でした。その話し声、面会に来た家族、看護士さんたちの声、さまざまな機械の音などがあちこちから聞こえます。面会に連れられてきた子どもがゲームをし、ジュースをねだり、その横で問診書を書きました。案内された病室でぼんやりとしていると、見慣れた景色は病室の窓ガラスを通すと少し遠のいたように感じます。同じTV番組も家で見るのと同じではありません。2時間おきに見回りに来られますが、病棟のスタッフがの方は正しくていねいで、動作や会話の1つ1つの意図と思いが伝わる確かなスキルです。
 病院のベッドでも武田百合子の「富士日記(中)」、そのなかで当時山梨では「ヘップ履き」と呼ばれるサンダルがことが出てきます(昭和41年12月)。それは、かかとのついたスリッパでオードリー・ヘップバーンが映画の中で履いていたので流行ったらしいのです。インターネットで見たらその映画は『ローマの休日』。どの家庭にも1足はあるビニール製のつっかけの由来です。          (ホンダタカシ)
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2018/01/19 21:08 | 未分類trackback(0)  | top

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