コミュニケーション

 社会福祉の現場では、特にコミュニケーション能力が求められる。生活上で抱えている問題について表明する人をメッセージの「送り手」とすれば、社会福祉士はその「受け手」となる。メッセージを理解するためには、共通のコードが必要になる。つまり、相手と自分が深い次元で感じあうような共通の世界観の中でのコミュニケーションが求められる。
相手の発する文脈の意味を解釈する際、自分が理解している言葉を単につなぎ合わすだけでは誤解が多く生じる。そのときの相互作用によって「受け手」の理解度はより創造されていく。社会福祉士が担う「受け手」の役割とは、さまざまな出来事に「意味」を獲得しなければならない。
 
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 例えば、芸術や音楽という作品を受容する際、その作品の分析、批判と反省、評価と創造を繰り返し、より理想的なものへと再生産していくような「能動的受容性」によって価値が形成されていく。だからこそ受容は生産行為の根源となる。「出来事」をあるがままに受けとめる受容性、そこに「意味」を獲得する能動性がコミュニケーションの本質ではないだろうか。「受け手」は解釈による主体者として、出来事の意味を変容させる役割を担っているといえるだろう。
現実の出来事はその場限りで終わるのではなく、その先で振り返ってみたときには必ず「意味」を帯びている。生産行為とは、受容の過程から能動的に意味を獲得することによる循環で成り立っていると考えられる。「出来事」と「意味」の連鎖のなかでコミュニケーションを繰り返すことで、創造的な合意にまで切り開いていけることがある。

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ところが一方で、知らず知らずのうちに人を傷つけている人もいる。その人達はコミュニケーションの際に、共通のコードを能動的に理解しようとしない場合が多い。自分だけの言語で聞き取り、そこに出来事の意味を解釈しようとしない。結局は「こういったの、ああいったの・・・」と相手をいつまでも攻撃の対象とする。その攻撃対象は一人ではなく次々と攻撃対象の幅を広げていき、職場や組織の中でうまく適応できなくなっていく。 芸術作品や音楽鑑賞で感受性を高め、自然の花鳥風月をゆっくりと感じるような時間や空間が人間には必要であろう。

山下裕史

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2009/10/27 00:00 | 未分類comment(0)trackback(0)  | top

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